
高輪の『ザ・プリンス さくらタワー東京』で彼女と過ごす素敵な一日の続き。
シャンパーニュを飲み干すと、ブルゴーニュを抜栓。
ドメーヌ・カミュ・ペール・エ・フィスが造る、マゾワイエール・シャンベルタン、グラン・クリュ、2006年。
ドメーヌ・カミュ・ペール・エ・フィスは1830年設立の、ジュヴレ・シャンベルタンに居を構える小さな家族経営のドメーヌ。

所有する18haの畑の内2/3がグラン・クリュという、シャンベルタンを代表する造り手のひとり。
決して派手ではない、伝統的なワイン造りを貫く造り手でもある。
最初口に含んだ時は、とても薄く感じる。
そしてじわじわと、ぶどう本来の旨味が沸き上がってくる。
ゆっくりと噛み締めるように飲みたいピノ・ノワールだ。

コルクは弾力があり、状態が良い。
刻印には、”ドメーヌ元詰め”と書かれているだけで、ドメーヌ名もAOC名も入っていない。

チーズ三種とサラダ三種でお腹がいっぱいになってしまったので、ルーム・サーヴィスではメイン料理のみ頼むことにする。
和牛ロースの網焼きステーキをレアで注文。
これは美味い。

お腹がいっぱいなので、少し散歩したいと彼女が言い出した。
そこでホテルの庭を散策することにする。
庭に出ると、歩きやすいようにそこそこに照明が点いている。

深夜に来ると、鬱蒼と茂った樹々が不気味だ。
石段を登り少し進むと、鐘楼に出る。
鐘を撞いてみたい衝動を覚えるが、こんな時間に音をたてるとホテルの宿泊客が驚くだろうと思い留める。

更に進むと、観音堂がある。
前回ここに宿泊した時も深夜に散歩したが、観音堂の前に手を合わせてたたずむ人影を見付け、驚いたことを思い出す。

庭園内を流れる小川に掛かる橋を渡ると、山門に至る。
彼女がコンビニに寄りたいと言うので、山門をくぐりホテルを抜け、品川方面に向かう。

ホテル・エントランス前の道路にも人影はない。
樹々に囲まれた坂を下り第一京浜を渡ると、コンビニがある。

コンビニで買い物を済ませ、緩やかな坂道を手を繋いで登る。
人気が無い都心の道も良いものだ。
ホテルのエントランスには客待ちのタクシーも居ない。

ロビー階の長い廊下を通り、エレベーター・ホールに向かう。
また手を繋ごうとすると、「監視カメラが見てるわよ」と言って拒否された。
そうだ、もう一本ワインを持ってきているので、部屋に戻ったらそれも抜栓することにしよう。
高輪の『ザ・プリンス さくらタワー東京』で彼女と過ごす楽しい夜は続きます。