キノコの想い出 | ワインは素敵な恋の道しるべ

ワインは素敵な恋の道しるべ

白ワインは天使の如く貴方の心を解き放ち、赤ワインの真紅のグラスの底には悪魔が潜む。そして貴方は天使の如く大胆に、悪魔の如く繊細に、新たな恋の道を歩み始める。

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私は毎朝11~12kmのウォーキングを楽しんでいる。

歩くコースは幾つかあるが、一番好きなのは家からかなり遠い公園にある海辺の松林。

砂地や降り積もった松葉の上を歩くのは、気持ちが良い。

梅雨の時期になり、松林にある変化が訪れた。



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そこかしこに、キノコが顔を出したのだ。

ウォーキングの足を止め、スマホを取り出して写真を撮ることにする。

彼女に見せたいと思ったのだ。

このキノコは立ち姿が凛としている。

食べることができるのかな、と考える。

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これは何だろう。

こんなことを考えていると、昔のキノコにまつわる思い出が蘇った。

子供の頃、祖父が田舎に山を幾つか所有していた。

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その山にはマツタケがいっぱい生えるので、秋になると毎週末にマツタケ狩りに行った。

マツタケ狩りは楽しかったが、いっぱい採れるので、毎日食卓にはマツタケ料理が並んだ。

えぇ、今日もマツタケなの・・・、と心でつぶやいたことを想い出した。

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彼女に写真を見せた。

「こんなにいろいろな種類のキノコが生えているの?海辺の人工林だのに、すごいわね」

「どれか食べることができるキノコはないのかな?」

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「食べちゃダメよ。公園でとってきた毒キノコを食べて死んだなんて報道されたら恥ずかしいわよ」

「僕の身体を案じているんじゃなくて、報道されると恥ずかしいから食べちゃダメなんだ!」

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「屁理屈言っていないで、絶対に食べないでね」

「わかってるよ。食べないから安心して」

こんな会話をしていると、キノコにまつわる別の想い出が蘇った。


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以前、北関東の山の中にサマーハウスを建てたことがある。

別荘地を二区画購入し、取り付け道路に面した敷地の隅っこに、一区画の四分の一程度の敷地を整地し、サマーハウスを建てた。

このため、かなり広いブナの自然林を残すことができた。

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ある朝、賑やかな話し声で目が覚めた。

窓を開けると、数人の男女が庭に居た。

「おはようございます。何をされているのですか?」

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「あ~、この辺りはホンシメジの良い床なんですよ。これは食べると美味いよ」

林の中にキノコがいっぱい生えていることは知っていたが、食べて良いものかどうかわからなかったのだ。


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朝食後に庭に出てみると、ホンシメジは綺麗に無くなっていた。

知っていれば採って食べたのにと、残念に思った記憶が蘇ったのだ。

そう言えば、サマーハウスの庭にはタラノキが何本かあった。

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家を建ててくれた地元の大工さんが、春に芽を摘んで天麩羅にすると美味しいよと教えてくれた。

庭でタラノ芽が採れるなんて素晴らしいと思ったが、何時も先に誰かに摘まれてしまい、一度も食べたことが無い。

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こちらは新参者だが、地元の人は昔からこの山でシメジやタラノ芽を採取していたのだろうから、仕方がないと思ったものだ。

この白いキノコが一番沢山生えている。

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他のキノコと異なり、土の中で大きくなり、最後に土をがばっと持ち上げて地上に顔を出すのだ。

だから、笠の部分が随分硬い。

地上に出ると、大きく傘を広げ、大振りなものは手のひらほどの大きさになる。

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普段は気が付かない足元に次々と現れるキノコたち。

ウォーキングの時間が長くなってしまうけど、珍しい種類が出てこないか、これからも楽しみです。