
今夜は彼女と、またまた西麻布の『キャーヴ・ド・ひらまつ』を訪れた。
彼女が大好きなフレンチ・レストランなのだ。
エントランスをくぐり、レセプションに通じる緩やかな螺旋階段を上る。
支配人に迎えられ、顔見知りのスタッフが私たちのテーブルに案内してくれる。

テーブルにはワイングラスと什器が美しくセッティングされている。
このお店とのお付き合いは長い。
前身の『ル・レゼルヴ・ド・ひらまつ』が開店した時からお世話になっている。

二人が着席すると、アペリティフが届けられる。
今夜のアペリティフは、シェリーのトニックウォーター割り。
濃厚なシェリーが夏らしく爽やかなスパークリングに変身。
最初にそのまま味わい、二口目はレモンを絞り込んで飲む。
上等のシェリーが使われているのでシェリーをそのまま飲みたい気もするが、夏には最適なアペリティフだ。

使われているシェリーは、デルガド・スレタが造る、オロロソ・モンテアグード。
デルガド・スレタは1744年創業の名門で、スペイン王室御用達である。
オロロソ・モンテアグードは10~12年熟成させたシェリーで、色合いは強い琥珀色。
クルミやヘーゼルナッツのアロマと深い熟成感を持ち、余韻は極めて長い。
アルコール度数は18.5%で、使用されているぶどうはパロミノ100%。

アミューズ・ブーシュは、冷製ロワイヤル、ゴマのスティック添え。
夏に適したアミューズで、ゴマの香りが香ばしい。

アペリティフの次は、白ワイン。
スゥッド・ウエストの人気の造り手、アラン・ブリュモンのシャトー・モンテュス、ブラン、2009年。
アラン・ブリュモンはマディランの復活に尽力した人物として知られ、マディランの皇帝と呼ばれている。
そのワインはフランスの三ツ星レストランの多くでオン・リストされているそうだ。

美しい黄金色。
杏や蜂蜜、炒ったナッツの香り。
ミネラルと酸を持ち、ヴォリュームのあるしっかりとしたストラクチャー。
大樽を用い、シュール・リーで6~8か月熟成されている。
セパージュは、プティ・クルビュ80%、プティ・マンサン20%。
西麻布の『キャーヴ・ド・ひらまつ』で彼女と過ごす楽しい夜はまだ続きます。