
西麻布の大好きなフレンチ・レストラン、『キャーヴ・ド・ひらまつ』で彼女と過ごす楽しい夜の続き。
前菜は、フランス産ホワイトアスパラガスのフラン、アサリのスープと共に。
皿が出された後、テーブル上でアサリのスープが注がれる。

合わせて飲んでいる白ワインは、アラン・ブリュモンのシャトー・モンテュス、ブラン、2009年。
あまりに美味しいので、4杯も飲んでしまった。
アラン・ブリュモンは、マディランの復興に尽力した人物で、マディランの皇帝と呼ばれる人気の造り手。
ハリウッドの映画スターが自家用ジェット機でアラン・ブリュモンのワインを買いに行ったとの逸話も持つ。

魚料理は、北海道産カスベのムニエルソース・ベアルネーズ、新牛蒡のエチュベ・穂付きヤングコーン。
北海道産カスベとは、アカエイのこと。
独特の食感が面白い。

白の次は、赤ワイン。
ルイ・ジャドのボーヌ、プルミエ・クリュ、レス・グレーヴ、2005年。
ルイ・ジャドは1859年設立の老舗で、ドメーヌ兼ネゴシアン・エルヴール。
ルイ・ジャドのワインは、二人とも好きだ。
エチケットに描かれたバッカスの顔は、ルイ・ジャドの信頼の証である。

美しい透明感のあるルビー色。
チェリーやキイチゴの香り。
フルーティな果実香を持ち、酸味とタンニンのバランスも良い。
しっかりとしたストラクチャーが頼もしい。

赤に合わせる肉料理は、スペイン・ガリシア産の栗豚肩肉のロースト香草風味のジュ・ソース、春キャベツの小さなソーセージと共に。
栗豚とは、栗を食べて育った豚。
イベリコ・ベジョーダはどんぐりを食べさせて育てた黒豚だが、ガリシア地方では特産の栗を食べさせて豚を育てているのだそうだ。

『キャーヴ・ド・ひらまつ』は、白亜の一軒家レストラン。
豪華なインテリアに加え、メイン・ダイニングの正面には常に百合の生花が活けられている。
甘い香りの花に迎えられると、またここに来たと実感できる。
彼女と過ごす西麻布の夜の続きは、また明日。