
『ブラッセリー ポール・ボキューズ銀座』で彼女と過ごす楽しい夜の続き。
アペリティフ、白ワインを飲んだあとは、赤ワイン。
コート・デュ・ローヌのファミーユ・ペランが造る、クードレ・ド・ボーカステル、2009年。
ファミーユ・ペランは南ローヌの主要アペラシオンに300ha以上の畑を有し、古くからオーガニック栽培を実践している。
シャトー・ドゥ・ボーカステルを所有していることでも有名。

クードレ・ドゥ・ボーカステルは、シャトー・ドゥ・ボーカステルの土地の一部、最も東の部分の30haの畑のぶどうで造られている。
グラスに注ぐと、深い赤色。
ブラックベリー、カシスの香りを持ち、スパイスのヒントも感じる。
ぶどうの果実の強い凝縮感を持ち、タンニンは円やか。
熟成はオークの大樽で6か月間行われている。
セパージュは、グルナッシュ40%、ムールヴェードル30%、シラー20%、サンソー10%。

赤ワインに合わせる肉料理は、仔羊肩ロースのペルシャード風、にんにくの香るジュ、じゃがいものリヨネーズ。
仔羊を切ってみると、美しいレアー。
最高に美味いラム料理だ。

ディジェスティフは、ミュスカ・ド・ボーム・ド・ヴニーズ、2010年。
これもファミーユ・ペランのワイン。
ミュスカ・ド・ボーム・ド・ヴニーズは、コート・デュ・ローヌの南部にある甘口ワインのヴァン・ド・ナチュレのAOC。
ヴァン・ド・ナチュレとは、ワインの発酵中に果汁にブランデーを加え、発酵を止めて甘みを残す、酒精強化ワインの一種。

色合いは、光り輝く黄金色。
熟した桃やパッションフルーツの香り。
完熟果実と蜂蜜の甘みを持つ素晴らしヴァン・ド・ナチュレである。
ぶどうは、ミュスカ・ア・プティ・グラン。

デセールは、白桃のコンポート、フランボワーズのクーリー、バニラアイスクリーム。
フレンチのコース料理のあとのデセールは格別に美味い。
今夜のワインは、どれも良く知ったものばかりだった。
しかも、二人が好きなワインばかりだったので、彼女も「いっぱい飲んじゃった」と嬉しそう。

「今夜の料理も美味しかったけど、特にラムが素晴らしかったわね」
「そうだね、焼き加減が抜群だった」
こんな会話をしながら飲むコーヒーが美味い。

木下料理長に今夜の料理の礼を告げ、満ち足りた思いで店をあとにする。
振り向くと、『ブラッセリー ポール・ボキューズ銀座』が入ったマロニエゲートが妖しく輝いている。
今夜も楽しい、彼女と過ごす銀座の夜でした。