
今夜は久し振りに銀座のお店で彼女と待ち合わせ。
今夜のお店は、『ブラッセリー ポール・ボキューズ銀座』。

何時もはバーカウンター側のテーブルを選んでいるが、今夜はお店の都合でオープン・キッチン側の席に着く。
そうか、ここはキッチンがこんなに見えるのかと驚く。

待ち合わせ時間にはまだだいぶ余裕がある。
早い時間なので、店に客の姿はほとんど無い。
窓の外には、有楽町マリオン、そしてその先には今年開業した東急プラザが見える。

支配人に案内され、彼女が現れた。
席を立ち、彼女を迎える。
「お待たせしました」と彼女。
「君のためならどれだけ待っても気にならないよ」と私。
外はまだ暑いので、冷えたアペリティフ・メゾンを急いで出してもらう。
今夜のアペルティフは、マンゴー。
ソムリエの大友さんに聞くと、マンゴー・ピューレにライムと生姜汁を加え、クレマン・ド・ブルゴーニュで割ったもの。

マンゴーの旨みを持ちながら、さっぱりとした辛口のアペリティフに仕上がっている。
使われているクレマンは、『ひらまつ』のハウス・スパークリングとも言えるヴーヴ・アンバルのクレマン・ド・ブルゴーニュ、ブリュット、ミレジム、2014年。
ヴーヴ・アンバルはクレマン・ド・ブルゴーニュの元祖で、クレマン専業のメゾン。
このクレマンのミレジムはかなり美味しいので、私も『ひらまつ』で購入し、セラーにミレジム・ブリュットとロゼを入れている。

前菜は、蛸と小烏賊と夏野菜のサルピコン、バジル風味、爽やかなトマトのシャーベット添え。
海の幸と夏野菜の冷たい食感が素晴らしい。
サルピコンとはシーフードの小さな角切りの意味で、スペイン風シーフード・マリネ料理のこと。

白ワインは、ルーション地方のコート・カタラン、レ・カルシネール、2009年。
造り手はルーションのスター・ドメーヌ、ドメーヌ・ゴビー。
85haの敷地の内ぶどう畑は45haで、畑以外には森や草原の自然な環境を残している。
畑は標高150m~300mにあり、起伏に富み、多彩なマクロクリマを生み出している。
化学薬品や化学肥料は一切用いず、自然と調和したぶどう栽培を行っているそうだ。

透明感のある黄金色。
甘いパッションフルーツや蜂蜜の香り。
口に含むと濃厚な果実味を持ち、酸とミネラルも充分に感じる。
このワインを飲むのは三度目だと思うが、何度飲んでも素晴らしいと感心するバランスの良さ。
セパージュは、ミュスカ50%、シャルドネ30%、マカブー20%。

白ワインに合わせる魚料理は、地中海風ブイヤベース。
使われている魚は、夏の代名詞、鱸。
濃厚なスープが濃厚な白ワインに良く合う。
『ブラッセリー ポール・ボキューズ銀座』で彼女と過ごす楽しい夜は続きます。