
上野の『可口飯店』で彼女と過ごす楽しい夜の続き。
スパークリング・ワインのボトルをあっという間に飲み干したので、赤ワインを抜栓。
店長が私たちに用意してくれたワインは、チリのヴィーニャ・ファレルニアが造る、ドンナ・マリア、シラー、2013年。
ヴィーニャ・ファレルニアは、1951年にイタリアのトレンティーノから妻と7人の子供と共にチリに移住したアルド・オリビエ・グラモラが1998年に設立したワイナリー。
ワイナリーはチリ最北端の標高2,000mに達するエルキ・ヴァレーにあり、320haの自社畑と100haの契約畑のぶどうを用いてワインを生産している。
このワインは、ドンナ・マリア=マリア夫人という名のとおり、オリビエ・グラモラが妻マリアに捧げたものなのだ。

色合いは、濃厚なガーネット。
ブラックチェリーやカシスの香り、熟れた黒果実、ダークチョコレートのニュアンスも。
円やかなタンニンを持つ、重厚なボディである。
標高2,000mの乾燥した気候を活かし、ぶどうの40%は遅摘みにし、半分乾燥した状態で収穫。
このため糖度が上がり、イタリア、ヴェネトのアマローネのような風味を生み出している。

ここでトムヤムクンが届く。
美味いが飛び切りにホット。
トムヤンクンを食べるときは息を吸うとむせるので、息を止めるか、または吐きながら口に運ぶのがコツ。

青菜の炒め物。
今夜は空芯菜ではなく、小松菜。
火事になっている口の中が落ち着く。

メインは、鶏の炙り焼き、ガイヤーン。
柔らかで香ばしい鶏が美味い。
タイでは鶏料理がポピュラーで多彩なのが楽しい。
バンコクには30回以上行っているが、また行きたくなった。

〆はパッタイ、米粉で作った太めの麺の焼きそば。
タイで食べるととても甘く、タイの人はその上に砂糖をまぶして食べる。
だからタイの薬味4点セットに砂糖が入っているのだ。
ここのパッタイは甘くないので、安心して食べることができる。

デザートはアイスクリーム。
彼女が選んだのは、マンゴーアイス。

私のは、カカオアイス。
タイ料理を食べた後は、あっさりと甘いアイスクリームが美味い。

食後のコーヒーで寛ぐ。
店が『マンゴツリー・カフェ』になったら、また来ることにしよう。
店長の陶野さんと、スタッフの米澤さんにお礼を言って店を出る。

アトレからエスカレーターで上野駅に降りると、すぐ横に『ハードロック・カフェ』がある。
世界中の『ハードロック・カフェ』を回りたいと思ったのは、随分昔の話。
色々な国や都市の名前が入ったここのTシャツやトレーナーが、クローゼットの奥にいっぱいあるはずだ。

久し振りの上野なので、二人で周辺を歩いてみることにする。
彼女が急に立ち止まったので、「どうしたの?」と聞く。
「ね、これ食べようよ」
彼女が指さす方を見ると、そこは『ビアード・パパ』。

明日はダイエット、と心に言い聞かせながら、クリームがいっぱい詰まったシューを食べる。
でも、美味しい。
彼女と過ごす、久し振りの上野の夜は楽しく更けていきました。