
神谷町の『ナポリ・スタカ、ピッツェリア・ダ・ペッペ』で彼女と過ごす楽しい夜の続き。
白ワインを飲み終えると、赤ワインを抜栓。
ナポリ料理の店なので、カンパーニャを代表する赤を選んだ。
レ・テッレ・デル・ノルマンノが造る、タウラジ、2006年。
イタリアの土着ぶどうのワインは、寿命はあまり長くない。
2006年ということでちょっと心配したが、長期熟成に耐えるタウラジだし、2006年は南イタリアの当り年なので大丈夫だろうと判断。

タウラジらしく、極めて濃厚な色合い。
強い酸とタンニン。
熟した黒果実とスパイスのニュアンス。
ところが、濃厚な果実味の後ろからおかしな味が顔を出す。
う、ちょっとコルキー。
彼女を見ると、彼女も目で相槌を打つ。
非常に微妙なところだ。
私たちはとても敏感なので気が付くが、大抵の人は気にならない程度のブショネが一番難しい。

高級レストランだとリジェクトするが、ここはピッツェリア。
充分飲むことができる程度なので、リジェクトしないことにする。
後で店長に聞いたところ、このクラスのワインは飲む人が少ないので、このボトルも店で3年間寝ていたとのこと。
やはりその店で売れ筋のワインを選ぶほうが安全だと学ぶ。

先に食べたドン・サルヴォと並ぶお店の人気メニュー、貝類たっぷりのリングイネが届く。
いろいろな種類の貝類が山盛りになっているので、パスタが見えない。
ハマグリ、アサリ、ムール貝・・・。
前菜盛り合わせも、モッツァレラとプロシュートも、そしてピッツァ、ドン・サルヴォもヴォリューミーだったのでお腹はもういっぱい。

これ以上食べることは無理だと思っていたが、この皿を見た途端食欲が湧いてしまった。
二人とも完食。
美味しいとお腹に入ってしまうものだ。

お腹いっぱいと言いながら、「デザートは何にする?」と彼女。
私と同じ量を食べるのに、どうしてこんなに素敵なフォルムを保っていられるのか何時も不思議に思う。
彼女が選んだのは、ティラミス。

お腹はいっぱいなのだが、私もデザートを頼んでしまう。
選んだのは、チーズとレモンのトルタ。
しっかりとした作りで、濃厚なチーズが美味い。

〆はコーヒー。
このコーヒ、BORBONE(ボルボーネ)は初めて。
濃厚なローストが美味い。

ナポリのコーヒーと言えば、KIMBO(キンボ)だと思っていたが、ボルボーネは1997年にナポリに設立されたアロマティカ社のコーヒー・ブランド。
ナポリ・シチリア王のボルボーネ家の名を冠している。
イタリアでは業販専門なので、一般消費者の目に触れることは少ないのだそうだ。

あまりにお腹がいっぱいなので、少し歩くことにする。
東京タワーが美しく輝いている。
先日訪れたばかりの『ワカヌイ』の前も過ぎる。
彼女と過ごす夜は楽しい。
神谷町の人気のイタリアン、『ナポリ・スタカ、ピッツェリア・ダ・ペッペ』の素敵な夜でした。