
奈良県の桜井で『ひらまつ』が運営するオーベルジュ、『オーベルジュ・ド・ぷれざんす 桜井』で彼女と過ごす素的な夜の続き。
シャワーを浴び服を着替えると、二人でダイニングルームに向かう。
宿泊出来る部屋は9室しかないが、食事だけに訪れる客もいるため、テーブルは10余り置かれている。
ちょっとしたパーティに使える個室も用意されている。
ここには車でしか来ることができないので、宿泊しない地元の方は帰りは代行運転を呼ばれるのだそうだ。

正装したシェフソムリエの西谷さんに案内され、窓際のテーブルに着く。
テラスにもテーブルが置かれているが、この季節だと夕方といえどもまだ暑い。
明日の朝食をテラス席で楽しむのも良いかもしれない。

外はまだ明るいが、テーブル上のキャンドルに灯が燈される。
タキシード姿の鈴木支配人の挨拶を受ける。
今夜の料理の説明を受け、シェフソムリエとワインの相談をする。
「メニューもサービスも正統派フレンチね。さすが『ひらまつ』だわ」と彼女。
「ここは格式は高くても、寛げるのが好いよね。食事後に帰る必要もないし」と私。

器類にはフランス製が多く使われている。
ナイフやフォークは、クリストフル。
クリストフルの銀の輝きが美しい。

最初のワインは、シャンパーニュをグラスで頼む。
選んだシャンパーニュは、ドゥラモット、ブラン・ド・ブラン、ヒラマツ。
ドゥラモットはサロンの兄弟メゾンとして有名。
1760年創業の老舗で、シャルドネを用いたシャンパーニュ造りで定評がある。

冷えたブラン・ド・ブランが最高に美味い。
酸とミネラルのバランスが素晴らしく、しっかりとした果実味と熟成感を持ちながら切れが良い。
シャルドネの聖地、コート・デ・ブランのグラン・クリュ畑のシャルドネを100%用い、6年前後の長期の熟成を経てリリースされている。
このボトルは、ドゥラモットが『ひらまつ』のために造ったシャンパーニュである。

アミューズが届く。
鉢植えとスコップ!?
どこまでが食べ物なのだろう?

土を掘り起こしてみると、それは刻んだ黒オリーブとクリームチーズ。
これは面白い。
シャンパーニュとも良く合う。

二つ目のアミューズは、野菜畑に見立てた牛蒡と人参のコルネ。
遊び心がありながら、中身はしっかりとした味わいの料理。
これは楽しい夜になりそうだ。
彼女と過ごす『オーベルジュ・ド・ぷれざんす 桜井』の夜の続きは、また明日。