
お台場の『グランパシフィック・ル・ダイバ』で彼女と過ごす楽しい夜の続き。
シャンパーニュの次は、ブルゴーニュのピノ・ノワールを抜栓。
ドメーヌ・デュボワ・ベルナール・エ・フィスの、ショレイ・レ・ボーヌ、1999年。
「ショレイ・レ・ボーヌってどこなの?」
「コート・ド・ボーヌの北部、アロース・コルトンのすぐ南で、西側がサヴィニー・レ・ボーヌ、東側がショレイ・レ・ボーヌだよ」
「そうか、サヴィニー・レ・ボーヌは何度か飲んだけど、ショレイ・レ・ボーヌは初めて」
「1999年だから美味しいと思うよ」
造り手のドメーヌ・デュボワ・ベルナールはショレイ・レ・ボーヌ以外にも、アロース・コルトン、サヴィニー・レ・ボーヌ、ボーヌ・プルミエ・クリュにも畑を有し、多くのバックヴィンテージを保有しているそうだ。
この1999年もドメーヌの蔵出しである。
コルクの長さも質も充分。
何時ボトリングしたのか知らないが、濡れ具合も良い。
色合いは結構濃い。
ラズベリー等のベリー系の豊かなアロマ。
複雑なストラクチャーを持ち、スパイスや広葉樹の朽ちた落ち葉、シガー、そしてバニラも感じる。
17年の時を経て、タンニンは円やかで酸味とのバランスが良い。
「美味しい。貴方の好きなタイプね」
「やはり99は美味しいね」
今夜は、シャンパーニュもブルゴーニュも当たりだ。
実はもしもの場合のために、キャリーバッグにはもう一本別のワインを忍ばせてあったが、今夜は不要。
メイン料理は、黒毛和牛のフィレ・ステーキをレアーで注文。
「どんな焼き加減で来るかで、このホテルのレベルがわかるわね」
彼女の評価は何時も厳しい。
皿のカバーを開けると、実にシンプルな盛り付け。
説明を受けたが、良く聞いていなかった。
確か右側がドライトマトを使ったピリ辛だったと思う。
二人に切り分ける。
おぉ、これは綺麗なレアー。
一口食べると、肉の旨味が広がり、とろけるように柔らかで美味い。
ここの厨房の実力はなかなかのものだ。
〆は、クラブ・サンドイッチ。
私は結構お腹一杯だったのでパスタを軽く食べる程度で良かった。
でも彼女が、クラブ・サンドイッチを食べたいというので注文した。
鶏肉やハムがたっぷり入っていてヴォリューミー。
彼女はお腹一杯と言って、食べたのは一つだけ。
結局私が三つ頬張ることになった。
でも、彼女はデザートは別腹と言う。
楽しいお台場の夜は、続きます。