芝公園にあるニュージーランド・ラムのお店、『ワカヌイ・グリル & バー』で彼女と過ごす素敵な夜の続き。
店に到着した時はまだ明るかった。
ふと気が付くと、外は既に夜の帳に覆われている。
ちょっと席を外し、テラスに出る。
目の前の東京タワーに明かりが灯り、圧倒的な存在感を示している。
続く料理は、近海マグロの炙り、クラッシュオリーブと田倉ファーム野菜のメランジェ、ネギとバルサミコ。
なかなか手の込んだ盛り付けだ。
これを取り分けるには、技を要する。
二人の皿に、オリジナルのコンセプトを活かすように取り分ける。
取り皿を汚さずに、何とか見栄えよく盛り付けることができた。
続く料理は、ニュージーランド産活グリーンマッセルの香草白ワイン蒸し。
とてつもなく大きなムール貝である。
豊かな香りが食欲を誘う。
この殻は、10数cmはあるだろう。
これだけでお腹がいっぱいになってしまいそうだ。
ネルソンのソーヴィニヨン・ブランのボトルを飲み干したので、ラムに備えて抜栓しておいた赤ワインを出してもらう。
この赤も白と同じく、お店の直輸入ワイン。
フォレスト・ワインズが造る、ジョン・フォレスト・コレクション、ワイタキ・ヴァレー、ノースオタゴ、2011年。
フォレスト・ワインズは、ジョンとブリジット・フォレスト夫妻が1988年にマールボロに創設した小さなプレミアム・ワイナリー。
二人は分子細胞生物学博士と薬学博士という経歴から、ワイナリー経営に転じている。
今は、マールボロで白、ホークスベイでボルドータイプの赤、そしてオタゴでプレミアム・ピノ・ノワールを生産している。
フォレスト、ザ・ドクターズ、タティボグラー、そして最高峰のジョン・フォレスト・コレクションという4つのワイン・シリーズを生産している。
「ブラインドで飲んだら、ボーヌと間違えそうだね」と、私。
濃い目のルビー色。
ふくよかな果実香。
熟したプラム、黒コショウ、腐葉土、ローズマリー、しっかりとしたミネラルと酸、タンニンも重厚感がある。
セントラル・オタゴのピノは美味しいと思っていたが、初めて飲むノースオタゴ、ワイタキ・ヴァレーの実力も大したものだ。
ワイタキは、太平洋から40kmほど内陸部に入ったところにあり、冷涼な気候の地だそうだ。
彼女と過ごす、『ワカヌイ・グリル & バー』での素敵な夜は続きます。