今夜は大好きなニュージーランド・ラムのお店、『ワカヌイ・グリル & バー』を彼女と共に訪問した。
店は東京タワーの真ん前のビルの10階にある。
だから目の前に東京タワーがあるが、近すぎて脚の部分しか見えない。
それでも嫌な顔ひとつせずに店に迎え入れてくれる。
店の入り口近くが東京タワー側。
室内は禁煙だが東京タワーに面したテラス席は喫煙なので、人の出入りでタバコの匂いがすることもある。
テーブルに着くと、緑の中に増上寺の大きな屋根が見える。
目を左に移すと、東京プリンスホテル、そして更に左には愛宕山ヒルズが見える。
今日は小雨交じりの天気。
遠方は低く垂れこめた雲に霞む。
ここはニュージーランドのラムやビーフのお店なので、ワインも全てニュージーランド産。
最初のボトルは、ネルソンのカウランギ・エステイトが造る、ソーヴィニヨン・ブラン、2015年。
ネルソンは南島の最北端で、有名なワイン産地マールボロの西隣にある。
カウランギは、1998年にグレッグ&アマンダ夫妻が始めたブティック・ワイナリーで、今は娘のサマンサが加わり、三人の家族で運営している。
設立は1998年と新しいが、ぶどう畑は1973年に植樹が始められたものを購入しているので、樹齢は高い。
柑橘類のフルーティな香り。
オレンジピールやパイナップルのニュアンス。
冷涼な気候の畑でサステナブル栽培されたソーヴィニヨン・ブランは、しっかりとした酸とミネラルを持つ、引き締まった辛口。
彼女も、「美味しい。ニュージーのソーヴィニヨン・ブランは酸があって好いわね」との評価。
「ロワールの次に好きだわ」とはちょっと余計な感想。
最初からラムが出るなんて、恐らくここだけだろう。
これが美味いのだ。
最初の料理は、ワカヌイ・サラダ、スナップエンドウと春野菜、セロリ・ヴィネグレットを注文。
たっぷりのヴォリュームが嬉しい。
早速二人の皿に、私が取り分ける。
フォークとスプーンを片手に持ち、盛り付けの配置を考えながら野菜を運ぶ。
バランスが取れながら、勢いのある盛り付けにしたい。
「本当に上手」と彼女に言われ、ちょっと嬉しくなる。
芝の『ワカヌイ・グリル & バー』で彼女と過ごす、素敵な夜の続きはまた明日。