銀座に早く着いたので、少し銀座を散策。
夕暮れが迫り、銀座の街に灯が点る。
空にまだ薄く明るさが残り、店々のネオンが点灯するこの時間の銀座が好きだ。
中央通りを、4丁目から2丁目方向に歩く。
次々と変わる、淡い映像に思わず見入ってしまう。
シャネルの名前の上に、鏡文字になったルイ・ヴィトンの名前が浮かび上がっている。
向かい合うビルがルイ・ヴィトンなので、その名前がシャネルの壁面に映っているのだ。
ルイ・ヴィトンの表示は大きく、しかも照明が付いているので、シャネルのビルに投影されてしまっているようだ。
銀座の街は、本当に綺麗になった。
有名ブランドのビルが華やかさを競っている。
数寄屋橋には東急プラザがオープンし、6丁目では大型商業施設の建設が進んでいる。
ビルに付いていた大きなデコレーションが無くなっている。
一昨年のクリスマスは、このビルで開催されたパーティに彼女と一緒に参加した。
彼女はとても喜んでくれたが、珍しくちょっと飲み過ぎて帰りが大変だった。
彼女と待ち合わせの場所はこのビル、『マロニエゲート』にある。
ここには、『シンガポール・シーフード・リパブリック』等、行きつけの店が入っている。
今夜のお店は、『ブラッセリー・ポール・ボキューズ銀座』。
ここには『東急ハンズ』も入っている。
興味が尽きない品々がいっぱいあるので、立ち寄ると時間を忘れ、待ち合わせに遅れてしまう。
待ち合わせ時間まで10分。
レストランに直行することにしよう。
馴染みの支配人やお店の人が暖かく迎えてくれ、何時もの席に案内される。
入り口には、ポール・ボキューズさんの写真入りの紹介の立て看板が置かれている。
私が料理に興味を持つようになったきっかけは、ポール・ボキューズさんの本、「キュイジーヌ・ド・マルシェ」を読んだこと。
ヌーベル・キュイジーヌの考えに共感した。
大昔の話だ。
だから平松さんが『ポール・ボキューズ』のお店を開くことになったときは本当に喜んだものだ。
このナプキンを見ると、途端にお腹が空いてくる。
まるでパブロフの犬だ。
支配人がこちらに合図を送ってくれた。
彼女が到着したようだ。
席を立ち、彼女を迎える準備をする。
彼女と過ごす、素敵な銀座の夜の始まりです。