西麻布の白亜の一軒家レストラン、『キャーヴ・ド・ひらまつ』で開催された、桜をテーマとした料理とワインの会の続き。
ソムリエの佐々木さんが、「良いワインが開いているのですが、飲まれますか」と言って、素敵なボトルを持ってきてくれた。
ボルドー、サンテミリオンのプルミエ・グラン・クリュ・クラッセB、シャトー・フィジャック、2008年。
フィジャックには思い出がある。
ニュルンベルクに住んでいるドイツ人の友人はフィジャックが大好きで、彼と飲む時は何時もフィジャックを二人で三本空けたものだ。
サンテミリオンは彼女も好きな産地。
クラッセAではシュバル・ブランも良いが、彼女が一番好きなのはアンジェリュス。
以前、平松さんが主宰する食事会でアンジェリュスの82年を飲んだが美味かった。
クラッセBではフィジャックが一番だが、ジャン・リュック・テュヌヴァン夫妻と食事会でご一緒したことから、ヴァランドローも好きになった。
この食事会で、彼女はテュヌヴァン夫人からブラン・ド・ヴァランドローNo.1をプレゼントされたので、とても印象が良いのだ。
シャトー・フィジャックに合わせ、フロマージュを出してもらう。
熟成したフロマージュを揃えているのが、『ひらまつ』の良いところ。
素敵な女性が説明してくれるが、何故か顔は彼女の方を向いている。
説明の間に、写真をパチリ。
結果、説明を聞き逃し、彼女が選んだのと同じフロマージュを切ってもらうことにする。
説明を聞いていなかったので名前は定かでないが、シェーブル(山羊)は、サント・モール・ド・トゥレーヌだと思う。
今夜の白、赤ワインと同じく、ロワール地方で造られたものだ。
ウォッシュドも美味いが、絶品なのは熟成の進んだカマンベール。
こんなに美味しいカマンベールは初めてだ。
もちろんブルーも美味い。
さて、ディジェスティフ、食後酒の時間。
今夜は、ソーテルヌの貴腐ワイン。
シャトー・カントグリル、2006年。
ボルドーの白ワインの大家と言われる、ドゥニ・デュブルデュー博士(ボルドー大学醸造学部教授)が造るワインなのだ。
今夜は既に飲み過ぎているが、デザート(ワイン)は別腹、楽しく味わうこととする。
香りには、グレープフルーツ等の柑橘系果実、そして蜂蜜を感じる。
口に含むと、熟したピーチやアプリコットのニュアンス。
それでいて後味はすっきりとしていて甘すぎる嫌味がない。
本当に綺麗なソーテルヌの貴腐ワインである。
セパージュは、セミヨン80%、ソーヴィニヨン・ブラン20%。
デセールも、テーマは”桜”。
季節感があると、一層美味しく感じる。
今夜の料理は、”桜”がテーマ。
白と赤ワインはロワールで揃えたが、その後の赤とデザート・ワインは、ボルドー。
『キャーヴ・ド・ひらまつ』の夜は本当に楽しい。
彼女と過ごす西麻布の夜は、素敵に更けていきました。