ちょっと寒い曇り空だが、雨は降らないとのこと。
彼女と浅草駅で待ちあわせ、墨東の墨田堤に向かう。
空が明るいので、上を向いて写真を撮ると花が白く写ってしまった。
満開後、気温が下がったので花が付いたまま散っていない。
堤上には出店がいくつかあり、焼きそばやポップコーン、飲み物などが売られている。
何か食べようかな、ビールかお酒を飲もうかな、と思って足を止めるが、彼女はどんどん先に歩を進めてしまう。
急いで追いつき、肩を並べて歩く。
こんな綺麗な桜の下を一緒に歩けるなんて、幸せ。
先週の花見では、桜はまだ二分咲きの上に冷たい小雨に降られてしまった。
それだけに、彼女を再度花見に誘って良かった。
私も一度乗船したことがあるが、夜だったので花はほとんど見えなかった。
でも、飲んでいるだけで楽しかった。
桜の樹の間では、ブルーシートを敷いて多くの花見客が酒宴を張っている。
賑やかな鐘やサックスの音が聞えてきた。
音に向かって進むと、チンドン屋さんが出ている。
チンドン屋さんを見るのは、10数年振りだと思う。
花見客の頭を噛み、福をもたらしている。
一渡り客の間を巡ると、道に出て被り物を外す。
綺麗に化粧をした男性の顔が現れた。
「おめでとうございます」と何度も挨拶。
新年の獅子舞のような挨拶に違和感を覚えるが、花見の時の景気付けには何と言えば良いのだろう。
浅草から吾妻橋を渡り、墨東の墨田堤で桜を楽しみ、桜橋を渡って再び墨西に戻る。
桜橋には車道はなく、歩行者専用の橋である。
桜橋から墨東を見ると、堤の上はピンクの帯に蔽われている。
墨西の旧今戸橋の横には仮設ステージが作られ、着物姿の女性達が扇の舞を披露している。
その周りには、案内所や救護所、出店が立ち並び、多くの来場者で賑わっている。
旧今戸橋を後にして、今戸二丁目にある馴染みの鮨屋、『鮨勝』に向かうことにする。
彼女と共に過ごす墨堤、そして今戸のお話の続きは、また明日。