彼女と共に、南青山の『ポルトゥス』で開催された桜のワイン会に参加した。
ワイン会の名前が”桜のワイン会”と言うのではない。
桜に合わせてロゼ・ワインを飲もうという企画である。
それはワイン会の間、日本語は禁止で英語縛りなのだ。
メンバーが次々と集まってくる。
会が始まるまで、最初のロゼ・ワインを飲みながら談笑する。
フランス、南ローヌのファミーユ・ペランが造る、ラ・ヴィエイユ・フェルム、2014年。
ファミーユ・ペランは南ローヌの主要アペラシオンに300ha以上の畑を保有する大手。
ペラン家のワイン造りは、1909年にシャトー・ド・ボーカステルを購入したことに始まる。
ラ・ヴィエイユ・フェルムは、ファミーユ・ペランがリリース多くのブランドの中の、デイリー・ワイン・シリーズ。
24時間スキン・コンタクトさせ、発酵も熟成もステンレス・タンクで行われている。
ぶどうは、サンソー50%、グルナッシュ40%、シラー10%。
フレッシュな果実味を残しながら、しっかりとした骨格を持つバランスの良い辛口ロゼである。
ファミーユ・ペランは『ひらまつ』のレストランでもハウス・ワインを始め、多くの種類がワイン・メニューに掲載されているので、私達にとってはお馴染みのワインなのだ。
今日の会場は、南青山の『ファロ』のレストラン、『ポルトゥス』の個室。
『ファロ』は灯台という意味。
そして『ポルトゥス』は港。
個室とメイン・ダイニング・ルームは、この階段でつながっている。
上の部屋からは、楽しそうな話し声が聞こえてくる。
人気の店なので、テーブルは満席。
ワイン会のメンバーが揃うと、階段の左側にある白いドアを引いて閉める。
メイン・ダイニングの賑やかな話し声は消え、ワイン会の楽しい会話に集中することが出来る。
前菜は、つぶ貝とグリーンアスパラガス、白いフロマージュのソース。
つぶ貝は、英語で”ロック・スネイル”。
巻貝なので、カタツムリに似ていると言われればそのとおりではある。
二本目のロゼは、エシェ&バニエのコート・ド・プロヴァンス、ロゼ、2013年。
エシェ&バニエは、グレゴリー・エシェとフランソワ・バニエが2002年に立ち上げたネゴシアン。
ラングドック・ルーション地方を専門とし、数百軒のワイン生産者から良質のワインを厳選し、ブレンドして独自のワインを生み出している。
ラングドック・ルーションのワインにはブルゴーニュ・タイプのボトルが使われ、コート・ド・プロヴァンスのワインにはこのタイプの透明のボトルが使われている。
そしてこのボトルのもう一つの特徴は、コルクでもなくスクリュー・キャップでもなく、ガラスのキャップが使われていること。
封を切ったあと、手で抜栓できるのでピクニックには便利だ。
先に飲んだファミーユ・ペランに比べると、薄めのロゼだ。
甘い果実香が強いが、口に含むときりりと引き締まった辛口。
ぶどうは、グルナッシュ、サンソー、シラー。
最近のロゼは本当に美味しくなっている。
南青山の『ポルトゥス』で彼女と過ごす、楽しい英語のワイン会の続きは、また次回。