彼女と九段下で待ち合わせ、千鳥ヶ淵で花見。
ところが東京は冷え込みが続いたため開花は遅れ、しかも当日は時々冷たい雨の一日となった。
桜は二分咲きといったところ。
英国大使館前まで歩き、寒いので車を拾い、有楽町へ向かった。
丸の内にある『マンゴツリー東京』のカジュアル版のお店なのだ。
店内には系列の『コカ・レストラン』もあり、タイスキを選択することもできる。
『マンゴツリー東京』は一皿の量が多く、価格も高い。
それに較べ、ここでは同じ美味い料理を少量ずつ食べる事ができるので、銀座や丸の内での買い物帰り等に重宝している。
ただ問題は、ワインの品揃えが少ないこと。
そこで何時も予約時に支配人に頼み、リスト外のワインを準備してもらっている。
今夜頼んだのは、赤。
「二本を取り寄せておいたので、好きな方を飲んでください」とのこと。
「それなら二本とも抜栓して下さい」と答える。
今日は寒かったので、白ではなく赤を頼んでおいて良かった。
最初のボトルは、何とモルドヴァのワイン。
インペリアル・ヴァン・ホールディングが造る、カベルネ、ドライ、レッド・ワイン、NV。
モルドヴァは、ウクライナとルーマニアに挟まれた小国。
紀元前3000年にはワイン造りが行われており、ワイン造り発祥の地と言われている。
ぶどう栽培に適した気候と土壌を持ち、近年西欧から導入した近代的ワイン生産技術を組み合わせることにより、高品質で安価なワインを生産している。
ワインの大部分は、ロシア、旧ソ連各国、西欧を中心に輸出され、全労働人口の15%がワイン生産に従事しているそうだ。
インペリアル・ヴァン・ホールディングは、モルドヴァ南部で1977年に設立された大手のワイナリー。
香りは、ワイルド・ベリーやブラックベリー。
想像していた以上の果実味を持ち、タンニンもしっかりと付いている。
アルコール度数は13%と、ボディとのバランスが良い。
ブラインドで飲めば、ボルドーの良質のAOCクラスだと思ってしまいそうだ。
二人ともパクチーが大好きなので、別皿で追加して出してもらう。
スプーンとフォークを用いて、片手で料理を二つの皿に取り分ける。
これは私の役目。
そして手際よく取り分ける私の様子を見るのが、彼女は好きなのだ。
『マンゴツリー東京』では、普通はお店の人が取り分けて出してくれる。
でも私達のテーブルでは何時も、「お取り分けをお願いしてよろしいでしょうか」と私の所に皿を持ってきてくれるのだ。
二皿目の料理は、トード マン クン、海老のすり身揚げ。
三皿目の料理は、ポッピア トード、マンゴツリー・カフェ オリジナルの揚げ春巻き。
海老、豚挽き肉、野菜、春雨がたっぷり入っている。
スイートチリソースが付いているが、彼女はナンプラーと醤油を混ぜたソースが好きなのだ。
そこで、薬味セットを持ってきてもらう。
ナンプラー、酢、チリパウダー、砂糖がタイの定番薬味。
これに醤油を追加でもらう。
やはり『マンゴツリー』の料理は美味い。
バンコクでも『マンゴツリー』には良く行っている。
有楽町の『マンゴツリー・カフェ』で彼女と過ごす楽しい夜の続きは、また次回。