マクナブ・リッジのジンジラ、2005年。
マクナブ・リッジは、1868年、スコットランドから移住したアレキサンダー・マクナブによって設立。
移住の際に連れてきたボーダー・コリーの一種がメンドシーナで種として定着し、マクナブ犬と呼ばれている。
ここの普及版はNVの赤と白で、エチケットはマクナブ犬。
赤の犬はフレッドでフレッズ・レッド、白の犬はティンでティンズ・ホワイトと呼ばれている。
さてこのワイン、初めて見た時は真面目なワインなのかと訝ったが、マグナブのワインと知って、日本橋高島屋で一本、丸ビルでもう一本購入した。
このおどろおどろしいエチケットの絵は、このワインがジンファンデルの古木のぶどうを使用しているので、ぶどうの樹がモンスターになったという想定。
ジンジラと言う名前は、ジンファンデルとゴジラを合わせた造語。
ジンファンデルには、"シン・ジン"や"ザ・セヴン・デッドリー・ジン"など、美味しさを強調する面白い命名のワインがいくつもある。
でも、このワインの奇抜さは格別。
裏のエチケットには、ワインの説明が書かれている。
満月の夜に、カリフォルニアのジンファンデルのぶどう畑から、ジンジラは噴き出すように現れる。
モンスター・ジンファンデルは、濃く力強く、カリフォルニアの他のヴァラエタル・ワインを荒廃させてしまい、他のジンファンデルをカリフォルニアの彼方に弾き飛ばしてしまう。
ジンジラは、ラズベリー、チョコレート、ペッパーやスパイスの複層的なニュアンスを持っているのだそうだ。
色合いはとても濃い。
それでいて過度に重過ぎず、果実味と熟成感のバランスのとれた素晴らしいボディを持っている。
他のジンファンデルを弾き飛ばしてしまうかどうかは判断できないが、間違いなく高品質の洗練されたジンファンデルである。
ジンファンデルは、イタリアのプリミティーボと縁戚関係にあるぶどうだが、プリミティーボより確実に高度な発展を遂げている。
アメリカでブラッシュと呼ばれる甘めのピンクから、気軽なボディの赤、そしてとても重い赤までバラエティに富んでいるのもひとつの特徴だ。
久しぶりにモンスター・ジンファンデル、ジンジラを楽しんだお家ワインでした。