『NZ BAR』を出ると、大学時代にお世話になったお店、『吞喜』に向かった。
ここに来るのは、大学を出て以来初めてのこと。
彼女も一度行ってみたいと言っていたが、夜早く閉じてしまうので、今まで三度ほど店に来たが入店できないでいた。
そこで今夜は早い時間に『NZ BAR』を出て『吞喜』に行くことにしたのだ。
学生時代は何度もここで友人たちと食べたり飲んだりした。
私が通っていた学部は本郷の赤門側なので、弥生側にあるここは結構遠い。
それでも安くて美味しく飲み食いが出来たので、よく訪れたものだ。
学生時代にタイムスリップしたような気分になる。
でも初めて来た彼女は、店内が何もかも古色蒼然としているので少し驚いたようだ。
はんぺん、袋、大根を注文。
恐らく学生時代もこんな組み合わせで食べていたと思う。
酒の銘柄は尋ねたことが無いし、今も尋ねようとは思わない。
ここでは酒というと、この徳利が目の前に置かれるのだ。
大きなおでんの鍋の左隣にあるのが、酒に燗をつける道具。
女将さんが酒を入れた徳利をその横に3~4本並べ、注文が入るとご主人が蓋を開けて徳利を湯に浸す。
関西ですじと言うと、牛すじが出される。
関東では、すじは練り物なのだ。
『NZ BAR』で少し食べてきているので、おでんを六種類食べるとお腹がいっぱいになってしまった。
でも卵と銀杏は食べたい。
銀杏は串を抜いて出してくれる。
彼女にも食べてもらったが、半分残したので私が1杯半を食べることになってしまった。
うん十年ぶりに訪問した『吞喜』での、懐かしく嬉しいおでんと茶飯でした。