今夜は濃厚な白を飲みたくなった。
と言っても、糖度とアルコール度数が高いだけの白は嫌いだ。
そこでセラーから取り出したのは、カリフォルニアの大好きなワイナリー、ダリオッシュのシャルドネ、シグネチャー、ナパ・ヴァレー、2010年。
ボトルには、ダリオッシュの社長、ダニエル・デ・ポロ氏のサイン、"ダン"が入っている。
彼とは仲が良いので、ボトルに私の名前(ペンネームではなく本名)が書かれている。
そしてボトルの下部には、"ダリオッシュ"の名前とこのボトルを購入した日付けが入ってている。
日付を見ると、既に私のセラーに三年半以上寝ていたことになる。
と言うことは、その後に購入したダリオッシュを先に飲んでしまっていたようだ。
オーナーのダリオッシュ氏はイランのシラー出身。
ロスでのスーパーマーケット事業で財を成し、念願のワイナリーを設立した。
エチケットに用いられている絵は、彼の出身地シラーに都を置いていたアケメネス朝ペルシャのダリウス大王(ダレイオス1世)。
そしてワイナリーのゲストハウスは、ペルシャ神殿のように荘厳な建物である。
ワインだけでなく、このコルクもまだまだ長期間の熟成に耐える品質を保っている。
シールキャップにもダリオッシュのトレードマークが入っている。
シャンパーニュのミュズレであれば収集したい図柄である。
色合いはかなり濃い。
香りに甘味はなく、上質のブルゴーニュのようだ。
口に含むと、強い熟成感と重厚なボディに圧倒される。
熟した洋梨、炒ったナッツ、そしてグレープフルーツやブリオッシュのニュアンス。
まろやかな酸と長い余韻。
やはりダリオッシュのシャルドネは格別だ。
ブルゴーニュ産のオーク樽で11か月熟成されている。
新樽比率は70%。
私は隣に座っているので、見上げるような写真になってしまった。
彼とはワイン会でも何時も隣同士に座り、色々な話を楽しんでいるが、彼は私とよりも私の隣に座っている彼女との会話が好きなようだ。
彼女の英語は私よりも流暢だし、彼女を見れば男性なら誰でもお話ししたいと思うだろうから、まあ仕方が無いとは思っている。
色々な思い出が詰まった、今夜も楽しいお家ワインでした。