
今夜は美味いイタリア・ワインを飲みたくなった。
セラーから取り出したのは、クエルチャベッラ、キャンティ・クラッシコ、2008年。
これは思い出深いワインである。
彼女とゆっくりワインを楽しむために、汐留の高層ホテル、『パーク・ホテル東京』に宿泊した時の事。
私のセラーから選んだワインは、シャンパーニュとシャンボール・ミュジニーの20年物。
ところがこのシャンボール・ミュジニーが、酷いブショネ。
そこで外のレストランに赤ワインを飲みに出掛けた。
すぐ近くの汐留シティセンターの最上階、42階にある行きつけのレストラン、『ジ・オレゴン・バー&グリル』に行ったが、何とその夜は貸切パーティ。
銀座まで脚を延ばし、『マレンマ銀座』(現在は閉店)で旨いワインを飲むことにした。
その時に支配人が出してくれたのが、クエルチャベッラだったのだ。

クエルチャベッラは1974年創業。
天才醸造家ジャコモ・タキス氏のアドヴァイスを受けて、高品質ワインの生産を始めた。
1981年にはスーパータスカンのカマルティーナを発表し、名実共にキャンティ・クラッシコのトップ・ワイナリーとなった。
その後も進化を続け、1988年からは有機農法を取り入れ、2000年にはトスカーナでは初めてのビオディナミ農法に転換している。

クエルチャベッラが造るワインはどれも素晴らしく、カマルティーナやバタールも大好きだ。
以前はこの両方とも私のセラーに入っていたが飲んでしまい、今はこのクエルチャベッラのみとなってしまった。
セパージュはサンンジョヴェーゼ95%、カベルネ・ソーヴィニヨン5%。
2011年以降のヴィンテージは、サンジョヴェーゼ100%になっている。
キャンティ・クラッシコらしく、色合いはとても濃いガーネット。
熟したベリー系のアロマを持つ。
口に含むと強い熟成感と凝縮した果実味が溢れ出す。
タンニンは充分な熟成期間を経て、とても滑らか。
フランス産バリック(小樽)で14か月熟成させたボディは、リッチで洗練されている。
やはりクエルチャベッラのワインは旨い。
上質のキャンティ・クラッシコの美味しさを再確認した、今夜も楽しいお家ワインでした。