東大前の『NZ BAR』で彼女と過ごす楽しい夜の続き。
白を二種類飲んだ後は、赤ワインを店の奥にあるセラーで選ぶ。
先に飲んだシャルドネと同じ造り手、グレイワッキのピノ・ノワール、2012年。
昨日も書いたが、オーナー兼醸造家のケヴィン・ジュッド氏とはお会いしたことがあり、その朴訥で誠実な人柄に惹かれ、ファンになってしまった。
熟したダークチェリーやプラム・ジャムの香りを持ち、バニラ香を感じる。
タンニンは円やかで、繊細なストラクチャーを持つ。
このピノ・ノワールはフレンチ・オークのバリックで15か月間熟成され、新樽比率は45%。
私たちの席の後ろ側の壁には、グレイワッキのオーナー夫妻、ケヴィンとキンバリーのサインが書かれている。
その矢印の先には、ドッグ・ポイントのサインもある。
グレイワッキのケヴィン・ジュッド氏はクラウディ・ベイの醸造責任者だった人物で、ドッグ・ポイントのアイヴァン・サザーランド氏は同じくクラウディ・ベイのぶどう栽培責任者だった人物。
その二人が独立し、素晴らしワインを造っているのだ。
手前側が白ワインで、奥側が赤ワイン。
このラックからグレイワッキのピノ・ノワールを選んで自分で持ってきた。
ビーツや扁平のズッキーニ、黄色いニンジンなど面白い野菜が使われていて、彩も鮮やか。
見て楽しく、食べておいしい野菜料理だ。
オーナーの行天友紀(ぎょうてんともき)さんが選んだチーズが4種類出される。
感心するのは、どのチーズも熟成し、今がまさに食べ頃で出されるのだ。
行天さんによると、残ったチーズはご夫婦で食べてしまうので、何時も良い状態のものを用意できるのだそうだ。
今夜のメニューには掲載されていなかったが、どうしても食べたいとわがままを言って、作ってもらった。
マヌカ・ハニー、黒トリュフ、カマンベールの香りが混ざり合い、素晴らしく美味しいのだ。
ワイン・ショップに付属したイートインではあるが、これだけの料理が揃っていれば十分だ。
オーナーの行天ご夫妻との会話も楽しい。
彼女と過ごす、東大前の『NZ BAR』での夜は素敵に更けていきました。