今夜は彼女と六本木ヒルズで待ち合わせ、車で西麻布に向かう。
向かった先は二人のお気に入りのフレンチ、『キャーヴ・ド・ひらまつ』。
地中海通りに面した、白亜の一軒家レストランである。
入り口を入りと、そこは中庭。
中庭の両翼の3階はメイン・ダイニング・ルームの一部を構成している。
この階段を上り、2階のレセプションに向かう。
上を見上げると、正面と両翼にメイン・ダイニングの3階と、4階のバー・エリアが見える。
壁に書かれた店の名前に気が付いただろうか。
以前はここは『ラ・レゼルヴ・ド・ひらまつ』という、ナチュラル・フードをコンセプトにした高級店だった。
広尾にあった『キャーヴ・ド・ポールボキューズ』が閉店したときに、ここと合体して『キャーヴ・ド・ひらまつ』となったのだ。
以前の『キャーヴ・ド・ポールボキューズ』は、今は『ソムリエズ・ハウス』という気軽なフレンチ・カフェになっている。
2階のレセプションで名前を告げ、手荷物を預けて3階のメイン・ダイニングに向かう。
このアンティークなエレベーターに乗っても良いが、右手の螺旋階段を上る。
百合の甘い香りに包まれながら、この奥のテーブルに進む。
生花のテーブルに置かれているのは、フルーツ・リキュールの名人、ジャン・ポール・メッテのボトル。
そして、今夜の料理とワインのメニューが置かれている。
彼女と内容をチェックし、意見を交わすのも楽しい時間。
今夜のアペリティフは、アペリティフ・メゾン、ジャン・ポール・メッテ、メロン。
リキュールの名人、ジャン・ポール・メッテのメロン・リキュールを加えた、ヴーヴ・アンバルのクレマン・ド・ブルゴーニュ、ミレジム、2012年。
ヴーヴ・アンバルは、シャンパーニュ製法で高品質のクレマン・ド・ブルゴーニュを専門に生産する、まさにクレマンの元祖。
そのミレジムを使った、贅沢なアペリティフなのだ。
前菜は、アナゴとフォアグラとトウモロコシ、アナゴの香りをのせたポルトのアクセント。
見た目にも美しい一品。
彼女と過ごす西麻布の『キャーブ・ド・ひらまつ』の素敵な夜は、まだまだ続きます。