日本橋で100年以上の歴史を誇るこのお店の名付け親は、志賀直哉。
初代は何時も蛇の目傘を差してしたので、"蛇の目の市さん"と呼ばれていた。
そこで店を構えた時に、志賀直哉が『蛇の市』と命名したのだ。
1階の壁には、志賀直哉の直筆の命名書が飾られている。
鍋島の次に飲む酒は、長野県の佐久の花酒造の純米吟醸無ろ過生原酒、Spec d。
随分長い名前の酒だ。
純米吟醸、無濾過、生原酒、ここまではわかる。
でも、Spec dは何を意味しているのだろうか。
精米歩合は59%で、アルコール度数は17度。
でも、Spec dの意味は書かれていない。
調べてみると、長野D酵母を使用しているので、Spec dなのだそうだ。
生のフレッシュ感を持ち、フルーティであると同時に酸味を持つので、飲み飽きることが無い。
一階のカウンター席ではお好みで注文するが、今夜は二階の個室なのでお任せにしている。
ここでは赤身はヅケで出される。
そしてガリには甘みが一切付けられていない。
でも、私は逆に甘いガリは苦手なので、ここのガリや煮切り醤油が好きだ。
彼女はお腹がいっぱいと言って、私の皿に一個を移す。
鮨は好物だが、それだけに大量に食べてしまうので何時も後で反省することになってしまう。
しかし今夜は個室でお任せ料理なので、食べ過ぎを心配する必要は無い。
〆のあらの味噌汁で今夜を締めくくる。
たまにはこんな夕食も良いものだ。
彼女と過ごす日本橋の老舗、『蛇の市本店』での楽しい夜でした。