今夜は彼女と、銀座の『トロ・ガストロ・バー・トーキョー』でお食事。
昨年末にできたお店で、米国の人気店の日本第一号店である。
オーナーのリチャード・サンドバル氏は、メキシコ料理の伝統を活かしながら、今までにない多彩なラテン料理の店を展開している。
彼女とこの店に来るのは二度目。
一度目は今年の春、店で待ち合わせたが、彼女が迷ってしまって随分遅く到着した。
今回は大丈夫と彼女は言ったが、心配なので帝国ホテルで待ち合わせ、二人で歩いて店に向かう。
何時もは最初からワインで始めるが、今夜は彼女に珍しいビールも試してもらうことにする。
ビールだけ飲むのであれば、ラガーから始め、アンバー、ポーターと進むのだが、今夜は1本だけ試すので、最初からポーターを選ぶ。
米国やメキシコのポーターには、強いことを示すためかダークなデザインのものが多い。
このエチケットもなかなかのもの。
ペイ・ザ・フェリーマン、ポーターは、メキシコで造られているイングリッシュ・スタイルのポーター。
色合いはほとんど黒と言ってもよいほど濃い。
ネックの部分には、デイ・オブ・ザ・デッド・ビアと書かれている。
エチケッはおどろおどろしいが、そのイメージとは異なり、強いと同時に洗練された素晴らしいポーターでる。
たっぷりの量があり、野菜だけでなく揚げたナチョスやチーズも添えられているので、これだけでお腹がいっぱいになってしまいそうだ。
このお店のメキシカン・ワインはすべて飲んでいるので、お店に頼んでメニュー外のお勧めワインを出してもらう。
カリフォルニアのフライ・ブラザーズ・ワイナリーが造る、レッドウッド・クリーク、シャルドネ、2012年。
フライ兄弟がソノマ地区にワイナリーを設立したのは1890年。
兄弟の没後、交流のあったE&Jガロが購入し、今に至っている。
コスパ・ワインではあるが、熟した桃や梨のフレッシュな果実味を持つ、素晴らしいシャルドネである。
ソノマの熟した果実の旨味を残すため、大樽熟成にこだわり、わざわざユーゴズラビアから巨大なオークの樽を取り寄せているのだそうだ。
ところで、レッドウッドとはカリフォルニアに自生するセコイアのこと。
これは彼女が初めて来たときに食べてお気に入りとなったもの。
適度な歯ごたえがあって、旨味が中につまっているのだ。
熱々の石皿に入ったチーズが溶けているうちにトルティーヤに包んで食べる。
メキシコには10回ほど行ったことがあるが、料理とワインとテキーラが美味いので好きな国だ。
彼女と過ごす銀座の『トロ・ガストロ・バー・トーキョー』での楽しい夜の続きは、また明日。