ちょっと以前のこと。
急に彼女に会いたくなり、メールを送る。
九州から来る予定だった友人が来れなくなったので時間が空いた、などとは言わない。
「ちょっと遅くなるけど大丈夫」との嬉しい返信。
待ち合わせたお店は、丸ノ内KITTEにある『ドン・ピエール・ハート』。
名前を見ると、ここではドンペリを飲まないといけないのかと思うが、ここで飲んだことは無い。
先にワインを抜栓しようかとも思ったが、生ビールを飲みながら待つことにする。
秋とはいえ、最初に飲む冷えたビールは美味い。
予め頼んでおいた前菜がすぐに届く。
グリーン・アスパラガスと蟹とは面白い組み合わせ。
ソーヴィニヨン・ブランが好きな彼女の為に選んでおいた。
ソヴァージュ、野生という名のサンセール。
随分以前に一度飲んだことがある。
アスパラ・ソヴァージュは好きだし、ソヴァージュの髪型が流行った時には心ときめいた。
若い時は、イヴサンロ-ランのソヴァージュと言う名のオーデコロンを愛用していた。
ソヴァージュの想い出が長くなったが、このワインはとても有名な造り手のもの。
ロワールの自然派ワインの代表格、パスカル・ジョリヴェの製品なのだ。
ぶどうはオーガニックで栽培され、野生酵母で発酵。
シュールリーで12か月間熟成されている。
年産わずか6,000本のレア物。
自然で豊かな果実味を持ち、活き活きとした酸と深いミネラル感を持つ、素晴らしいソーヴィニヨン・ブランである。
カルパッチョには白身魚を使うことが多いが、今日は鰹。
二人の皿に取り分けるのは私の役目。
取り分けてみると、オリーブオイル味ではなく和風たれが使われていた。
これは鰹のカルパッチョと言うより、鰹の刺身和風たれ。
臭みも無く、新鮮な締まった身が美味い。
彼女と過ごす丸の内『ドン・ピエール・ハート』の楽しい夜の続きは、また明日。