今夜は彼女と、六本木ヒルズで待ち合わせ。
ヒルズから車に乗り、西麻布に向かう。
目的のお店は、『キャーヴ・ド・ひらまつ』。
車を降りると、何時もの像が迎えてくれる。
エントランスを入ると、そこは中庭。
それを知らずに雨の日に傘を閉じて入ると、慌てて傘を再び開くことになる。
優雅に湾曲する階段を上り、二階のレセプションに進む。
レセプションで待ち受けていた女性が、「いらっしゃいませ。高原様、お待ちしておりました」と迎え、三階のメインダイニングのテーブルに案内してくれる。
回り階段を上ると、豪華な百合の生花が現れる。
その足元に並ぶのは、ジャン・ポール・メッテのリキュール。
今夜のコース料理も楽しそうだ。
ナイフやフォークの柄には『ひらまつ』のイニシャルが入っている。
今夜のアペリティフ・メゾンは、フレーズ・デ・ボア=野イチゴ。
ジャン・ポール・メッテのフレーズ・デ・ボアのリキュールを、ヴーヴ・アンバルのクレマン・ド・ブルゴーニュ、ミレジム、2012年で割って作った、アペリティフ。
淡い、少しオレンジがかったピンクの色合いが綺麗だ。
甘酸っぱい野イチゴの香りに、きりりと引き締まったクレマンが上手く融合している。
いわば、甘い香りを持った辛口のロゼ・スパークリングといったところ。
貝は、サザエとハマグリが使われている。
色彩もアペリティフに合って、とても綺麗。
白ワインは、クロ・デ・ルネ、ルネ・ダルジャン、ボルドー、2012年。
クロ・デ・ルネのファースト・リリースは2011年という、新しいワイナリーである。
そしてオーナーが面白い。
ドメーヌ・ド・シュヴァリエ、シャトー・カノン・ラ・ガブリエール、そして自動車のプジョーのオーナーが共同経営者なのだ。
ワイン造りは、ドメーヌ・ド・シュヴァリエが中心となって行っているそうだ。
セミヨンが多いようだ。
セパージュを調べてみると、セミヨン70%、ソーヴィニヨン・ブラン30%。
彼女はブルゴーニュのシャルドネよりも、良質のボルドーの白や、サンセール、プイイ・フュメの白が好きだ。
このワインも飲んですぐに、「セミヨンが多いみたい」と言い当てている。
白ワインイン合わせた魚料理は、スズキとホタテのアンサンブル、カブのポトフとシーアスパラガス、ソース・ベアルネーズ。
スズキとホタテを一皿で食べることができるなんて、ちょっと得した気分。
カブの上に載っているのはアスパラ・ソヴァージュかと思ったら、これがシーアスパラガスなのだそうだ。
西麻布の『キャーヴ・ド・ひらまつ』で彼女と過ごす美味しい夜の続きは、また明日。