『ジャッジョーロ』で開催される、「エンツォ・フェラーリに捧げるスペシャル・ディナー」に参加するのだ。
『ジャッジョーロ』は、フィレンツェの世界最古の薬局、『サンタ・マリア・ノヴェッラ』の自然治癒の思想を取り入れたレストラン。
同じ通り沿いに、『サンタ・マリア・ノヴェッラ』の東京店もある。
そしてフィレンツェのメディチ家のワインも常備している。
店のエンブレムは、メディチ家の紋章、”百合の花”なのだ。
エンツォ・フェラーリはフェラーリ社の創設者であり、イタリア自動車界の重鎮であり、さらにF1レーシング・チーム、スクーデリア・フェラーリのオーナーとしてF1界に大きく貢献した。
1898年モデナ生まれで、1988年に死去。
アルファ・ロメオのレースドライバーとして自動車界での人生を始め、アルファ・ロメオの販売代理店事業で経営者として成功し、フェラーリでその名を馳せた。
そんなエンツォのの90歳の誕生日を祝った盛大な誕生会の料理を忠実に再現するのが今回の催しなのだ。
グラスは自動車会社のフェラーリとは関係ないが、同名のスプマンテのフェッラーリ社のものが使われている。
ランブルスコと聞けば、アメリカでは”赤いコーラ”と呼ばれているくらいで、気軽なワインを想像してしまう。
ところが、このカベルティ・ランブルスコを口にして驚いた。
濃く、果実味が豊かで、本当に美味しいのだ。
エチケットも立派で、レオーネ・ドーロ=金獅子と書かれている。
金獅子の上には、赤い文字でグラスパロッサと使用されているぶどうの名前が記されている。
このランブルスコはエンツォが愛して止まなかったそうで、”もう一つのフェラーリ・レッド”と呼ばれているそうだ。
そう言えば、エンツォ・フェラーリの名を冠したスーパーカーの色も、まさに”フェラーリ・レッド”だ。
テーブルの上に置かれた案内を開くと、エンツォ・フェラーリの肖像画が印刷されている。
そしてその右側には、エンツォの90歳の誕生日をフェラーリの社員全員で祝った夜のメニューが記されている。
見慣れない料理の名前が並んでいるが、エミリア・ロマーニャ地方の料理なのだそうだ。
使用されているバルサミコは、もちろんモデナ産。
エンツォの生誕地である。
この形、珍しいとは思いませんか。
実はメディチ家の百合の花の紋章を模しているのだ。
店の方が心を込めて作ってくれた造形を崩すのは申し訳ないが、ひと時のはかない美しさだからこそ心に響くのだろう。
ランブルスコのお供は、『ジャッジョーロ』の定番のチーズの薄焼き。
これが美味いのだ。
こんな素敵な企画を実行していただくことに、感謝。
2000年から2013年の間ピエモンテ州で修業を重ね、
2014年に鎌倉に『コモバール』という店を開店。
オーナーシェフとして活躍されている。
『ジャッジョーロ』の岩永シェフとのコラボで今夜の料理が準備されたのだ。
さて、その素晴らしい料理のご紹介は、また明日。