今夜は彼女と、銀座の『ブラッスリー・ポールボキューズ』で待ち合わせ。
何時もの通り私が先に到着し、受付を済ませる。
私が料理に興味を持つようになったきっかけは、ポール・ボキューズさんの著書を読んだこと。
だからここは私にとって特別の店なのだ。
席に着くと、ポール・ボキューズの見慣れたナプキンが迎えてくれる。
それにしても、彼女はなかなか現れない。
暇なので、アペリティフを飲みながら待つことにする。
クレーム・ド・カシスを白ワインで割った食前酒。
彼女がやっと到着した。
急いで席を立ち、彼女を迎える。
「今夜はキールだよ」と告げると、「キールロワイヤルの方が好き」と我儘を言う。
でも、ワイン会だからキールで我慢してもらう。
リキュールの王様、ジャン・ポール・メッテの作品である。
ひらまつのお店では、食前酒にジャン・ポール・メッテのリキュールと、ヴーヴ・アンバルのクレマン・ド・ブルゴーニュを組み合わせた食前酒を出すことが多い。
どちらも素晴らしい造り手のものなので、美味しく食事を始めることができるのだ。
前菜は、グリーンペッパー風味の鴨のテリーヌ、コニャック風味のコンソメジュレと新玉葱のサラダと一緒に。
鴨のテリーヌは二人とも好きな要理。
キールにも良く合うので、三杯も飲んでしまった。
白は、フランソワ・カリヨン、ブルゴーニュ・シャルドネ、2010年。
ピュリニーの偉大な造り手、ルイ・カリヨンの次男であるフランソワが独立したのは2010年。
このボトルは彼が造った最初のヴィンテージである。
父親、ルイのワイン造りを継承したフランソワのピュリニーの評価は高い。
1992年からぶどうはビオロジックで栽培し、発酵には自然酵母のみを使用。
どのクラスのワインもフレンチオークのバリックで発酵、熟成させている。
このブルゴーニュ・シャルドネはピュリニー村の区画のぶどうが使われており、熟成期間は、10か月。
梨やアプリコットの豊かな果実味としっかりとした骨格を持ち、ACブルゴーニュとは思えない高い水準にある。
白ワインに合わせる魚料理は、小海老のムースをのせた真鯛のポワレ、春キャベツのプレゼ、サルラン風味のソース・ノワイリー。
濃厚なソースが淡白な真鯛のポワレに絡んで美味い。
銀座の『ブラッスリー・ポールボキューズ』で彼女と過ごす楽しい夜の続きは、また明日。