彼女がアイスクリームを食べたいと言うので、買い物に出ることにする。
そして吹き抜けになったロビーには、客室階の壁に映像が映し出されている。
本当にアート感覚に溢れたホテルだ。
彼女は早く買い物に行こうよと急かすが、次々と変わる映像に思わず見とれてしまう。
何を表現しているのだろう。
誰の作品なのだろう。
などど考えながら眺めていたが、彼女の機嫌が悪くなりかけたので後ろ髪を引かれる思いでロビーを離れる。
ホテルが上層階に入っている共同通信社ビルを地下に下りると、コンビニがある。
そこでドリップ・オン・コーヒーとアイスクリーム、チョコボールを仕入れる。
ミネラル・ウォーターを沸かし、コーヒーを淹れ、デザートを楽しむ。
でも、部屋にドリップ・コーヒーが置かれていなかったのはちょっと意外。
アイスクリームは、ハーゲンダッツのスペシャル・エディション、オペラとアントワネット。
この二種類は、美味い。
まだブルゴーニュ・ピノが少し残っていたので、ベッドでナイト・キャップ代わりに味わう。
この絵に囲まれていると、部屋が明るい時は賑やかで良かったが、暗くなるとちょっと不気味。
安眠できるかな、と思いながらふと横を見ると、窓の下の壁に潜んでいた虎と目が合いびっくり。
こんなところにもサプライズが隠されていた。
彼女と過ごす汐留の『パーク・ホテル東京』の”アーティスト・ルーム”の夜は、妖しく更けていきました。