サンパウロの『フォゴ・デ・ショーン』で友人たちと過ごす楽しい夜の続き。
新しい肉がどんどんテーブルに届く。
卓上のカードを赤に裏返そうとすると、友人が「まだ早い、美味しい肉を頼んだから」と言う。
そして彼はまた店の肉の説明書に目を戻し、英語での説明に専念してくれる。
それにしても、もう何切れ食べたことだろう。
だんだんお腹が文句を言い始める。
肉が変われば不思議なことにまた食べることが出来る。
ラムにはミントソースが良く合う。
皿に乗っているのがどの部位の肉なのかもう全くわからない。
とにかく次の肉が届くまでに場所を開けることに全力を傾注する。
カイピリーニャを更にお代わりしてしまう。
カシャッサとライムジュースと砂糖でできたカクテルは飲み口が良く、そしてアルコール度数が高いので消化剤の役目も果たしてくれる。
これは美味い。
お腹はいっぱいなのだが食べてしまう。
でも、もう限界。
カードを裏返すと、やっと肉の皿を下げてくれた。
「もう食べられない」と答えると、「肉を食べた後は甘いものを食べなきゃ」と言われ、意志の弱い私は「それじゃ、お奨めを頼んで」と答えてしまう。
洋ナシの砂糖煮込みとアイスクリーム。
なんだかんだと言いながら、完食。
ブラジルコーヒーをぐっと呷って今夜の食事を締めくくる。
支配人が「ワイン・セラーに興味があれば案内しますよ」と言ってくれる。
今夜はワインを飲まなかったが、見せてもらうことにする。
エチケットが光って見えないが、シャトー・マルゴー、シャトー・ムートン・ロートシルト等のボルドーの五大銘醸や、シャトー・ペトリュスが揃っている。
南米産ではチリのアルマヴィーヴァが見える。
コンチャイトロとラフィット・ロートシルトのジョイント・ワインだ。
木製のドアが閉まった途端、お腹が一層張った気がする。
サンパウロ最初の夜、友人たちと楽しんだシュラスコの美味しい夜でした。