赤坂の『あじる亭カリフォルニア』で開かれたブラインド・テイスティングの会、「パリスの審判」での楽しい夜の続き。
1976年にパリのインターコンチネンタル・ホテルで開催された、フランスの銘醸ワインとカリフォルニア・ワインとのブラインド対決を模したワイン会。
シャルドネ、ピノ・ノワールに続く三種類目は、カベルネ・ソーヴィニヨン。
二種類のカベルネから、フランスとカリフォルニアを言い当てると言うもの。
これも簡単に当てることができそうだ。
最近のカリフォルニアのカベルネは、濃くて強いだけのワインではなく、とても洗練されている。
それだけに見分けがつきにくくなっているが、それでも外すことはなかった。
カリフォルニアは、コリソン、カベルネ・ソーヴィニヨン、ナパ・ヴァレー、1993年。
1987年に女性醸造家、キャシー・コリソンが設立したワイナリー。
造るワインは、カベルネ・ソーヴィニヨンのみ。
ちょっと迷った訳がわかった。
ヴィンテージが1993年と古く熟成が進んでいることと、アルコール度数が12.8%とカリフォルニアのカベルネとしては低いことがその理由。
それにしても、カリフォルニアのワインで1993年とは、主催者もよく見つけて来たものだ。
そしてフランスは、ボルドー、マルゴーのシャトー・プリューレ・リシーヌ、グラン・クリュ、1993年。
4級格付のグラン・クリュである。
昔は4haの畑で修道院のミサ用のワインを造っていた小さなワイナリー。
1951年に、ワイン評論家として有名な故アレクシス・リシーヌが取得して発展を遂げ、今では70haの畑を有する。
名前の由来は、小修道院=プリューレと、以前のオーナーのリシーヌ氏の名を冠したもの。
ヴィンテージが、カリフォルニアもフランスも1993年とは驚き。
「パリスの審判」で一位に輝いたスタッグス・リープ、カスク23のヴィンテージは確か1973年。
わずか3年の熟成期間しかなかったが、今回のワインは20年以上の熟成期間を経ているので、一層わかりにくかった。
メインの料理は、牛ホホ肉の赤ワイン煮込み、黒トリュフを削って、特製チェリーパイと一緒に。
これは強く熟成の進んだカベルネに良く合って美味い。
「パリスの審判」のワイン会はこれで終わりだが、同じテーブルに座った方たちと盛り上がり、さらに1本を抜栓。
アレキサンダー・ヴァレー、シン・ジン、2011年。
ウェツェル・ファミリーが経営するアレキサンダー・ヴァレー・ヴィンヤードが造る、ジンファンデル。
元々は販売用にではなく、収穫し残した完熟ぶどうを集めて家族と友人用に少量生産していたもの。
今ではジンファンデルの三部作のひとつとして有名。
三部作とは、テンプテーション(誘惑)、シン・ジン(罪)、レデンプション(贖罪)。
エチケットの絵は、17世紀のドイツのエッチングで、”豊穣の角”という名前。
アメリカン・オークの樽で10か月熟成させ、新樽比率は20%。
セパージュは、ジンファンデル98.4%、プティ・シラー1.6%。
昨年7月に、アラバマ州モビールのステーキ・ハウスで飲んだことを思い出す。
シン・ジンと言うだけあって、禁断の美味しさでる。
今夜も良く飲み良く食べた。
彼女と過ごす、赤坂の『あじる亭カリフォルニア』で開催された「パリスの審判」ブラインド・テイスティングの楽しい夜でした。