街にはオートリクシャーが縦横微塵に走り回っている。
さて、そろそろ空港に行き、コルカタに戻ることにしよう。
何時もは通路側にしか座らないのだが、ギリギリの時間に空港に着いたので、窓側の席しかとれなかった。
そのおかげで、初めてコルカタ周辺を上空から見ることができた。
バンコクやシンガポールとコルカタの間の便は、発着とも深夜なので、下界の景色を見るという事が無いのだ。
これぞ教科書に出てくるような、”川の蛇行”。
ところどころに”三日月湖”まで出来ている。
上から見ると、コルカタは水の中に浮いているようにも感じる。
それほど、池や川が多いのだ。
上空から見ると綺麗だが、実際には水回りにはごみがいっぱい投棄され、景観を汚しているのだ。
以前の古く不便な空港ターミナルには辟易していたので、本当に快適になって嬉しい。
面白いもので、建物が綺麗になると誰もごみを投棄しなくなるようで、建物の外にもごみは見当たらない。
まさに「割れた窓理論」が実践されているようだ。
コルカタも、空港周辺、つまり郊外にはオートリクシャーが多い。
街中に行くとさすがにオートリクシャーは影をひそめ、ヒンジスタン・アンバサダーのタクシーが取って代わる。
このトラックにも、なかなか綺麗な絵が描かれている。
今日も天気が良いのはいいが、道は埃っぽく、車は運転が荒っぽい。
それでも大きな事故は見たことが無い。
コルカタでは渋滞が激しく車のスピードが出せないので、大事故にはならないのだろう。
渋滞で並んだ車の間を、オートバイが縫うように駆け抜けていく。
運転手は前だけを見て運転するようで、トラックやバスのリアには”ブロー・ホーン”(警笛をならせ)と書かれている。
追い抜くときには警笛で存在を知らせないと、ぶつかっても知らないぞ、との意思表示なのだろうか。
前が詰まっていて動けないことがわかっていても、皆さん警笛を鳴らし続けるので、うるさいことこの上ない。
最近はあまり見かけなくなったが、以前はこんなバスがそこら中を走り回っていた。
喧騒を抜け、『ハイアット・リージェンシー・コルカタ』にチェックイン。
表通りからちょっと離れた広い敷地に立つホテルの中に入ると、静かで涼しい別世界。
知らず知らずの内に入っていた身体の力が抜け、緊張がほぐれる。
これだから高級ホテルの存在はありがたい。
発展途上国では、この安心感に高額の料金を支払っているのだ。
ちょっと休憩したところで、再び車に乗り、買い物に向かう。
館内は華やかで美しい。
高級な店が並び、コルカタの人々の生活レベルが飛躍的に向上していることがわかる。
ひととおりの探訪の後、館内のスーパーマーケットに入る。
買いたいものがあるのだ。
野菜や果物もここでなら買う気がする。
写真を一枚撮ったところで、ガードマンに撮影禁止ですと制される。
買い物は、紅茶とワイン。
どちらもインド産の高級品である。
買い物のご紹介は、また別途行うこととしますね。
コルカタでの、楽しいショッピングでした。