虎の門ヒルズの『アバーヴ・グルル&バー』で彼女と過ごす素敵な夜の続き。
シャンパーニュ、白と飲んだ後は、赤ワインを抜栓。
コート・デュ・ローヌのコート・デュ・ヴァントゥ、ドメーヌ・ド・フォンドレッシュ、ファイヤール、2012年。
コート・デュ・ローヌの新星と称される、セバスチャン・ヴァンサンティのドメーヌである。
創立は1991年。
滑らかなタンニンを持ち、ぶどう本来の自然な旨味が凝縮された赤である。
セパージュは、グルナッシュ50%、シラー30%、カリニャン10%、ムールヴェードル10%。
野菜に隠れて中身が良く見えない。
でも、蒸篭で出されたので、中華点心に違いない。
このアレンジ、とても綺麗だ。
ひとつひとつの料理に、特別な想いが込められているようで、一層美味しく感じる。
この料理では二人の皿への取り分けに意匠を凝らす余地は少ないのだが、とても綺麗と彼女は褒めてくれた。
これは、バーニャカウダ。
AWキッチンの豪快な盛り付けとは異なり、カボチャを器にした可愛いアレンジ。
思わず微笑んでしまう素敵な工夫である。
そして〆は素麺。
これのどこが素麺なのかって?
雲丹と野菜の下に、素麺が隠れているのだ。
今年の誕生日も海外に出ていたので、これと言った誕生日のお祝いはしていなかった。
「随分遅くなったけど、おめでとう」の一言に、心が溶ける。
お花もとっても素敵。
重厚感があり、派手と言うより粋な感じが嬉しい。
もうお目出度い歳ではないが、こんな花をもらえるなら次の一年も頑張ろうと思う。
でも、誕生日は立ち止まる日ではなく、次の一年の始まりの日なのだと思い、美味しく食べることにする。
以前はローズ・ヒップばかり飲んでいたが、最近はコーヒーが多くなっていたので、新鮮な感じがする。
彼女の心遣いに感謝の、『アバーヴ・グリル&バー』での嬉しい夜でした。