今夜は彼女と、初めて行くホテルでワインを楽しむことにする。
場所は高輪の、『ザ・プリンスホテル、さくらタワー』。
高輪プリンスの別館で、美しい庭に囲まれた和風テイストの特別なホテルなのだ。
今夜は私が早めにチェックインし、事前準備を整え、彼女の到着を待つことにする。
ホテルの玄関に車で直接乗り付けることは出来ない。
ドアマンが待つ車回しで下車し、この回廊を通って正面玄関に向かうのだ。
もちろん荷物はドアマンが運んでくれる。
米国式の派手なロビーに慣れている私も、優しさと親しみやすさを感じ心和む。
部屋はとても広い。
他の五つ星ホテルだとジュニア・スイートの広さなのだろうが、ここではこれが標準。
まさに上質の空間を提供してくれる、都会のオアシスなのだ。
バスルームもゆったりと広く、シャワー・ルームが独立している。
そしてバスは、ジャグジーになっている。
ワインを飲む前に、のんびり泡に包まれたいと思ってしまう。
これだと彼女の化粧品や洗面道具を並べると、私のものを置く場所が無くなってしまう。
食後のコーヒーを淹れるのに使うとしよう。
この箱には浴衣か何かが入っているのかと思ったが、単に各種案内が入っているだけだった。
早速、最初の白ワインを抜栓。
何時もはシャンパーニュと赤の二本を飲んでいるが、それでは彼女に飲んでもらいたい白を何時まで経っても飲むことが出来ない。
そこで今夜は彼女が大好きなフランスの造り手の白で始めることにした。
それは、ロワールのアンリ・ブルジョワ。
ドメーヌ・アンリ・ブルジョワ、サンセール・ラ・ブルジョワーズ、2007年。
彼女と共にいったい何本アンリ・ブルジョワのサンセールを飲んだことだろう。
このラ・ブルジョワーズ、2007年は、彼女の為に数本購入し、私のセラーで保管していたもののうちの、最後の1本。
「え、まだ1本残っていたの」と、彼女も嬉しそう。
アンリ・ブルジョワのサンセールは何時飲んでも美味い。
アンリ・ブルジョワはサンセールを代表する造り手で、10世代にわたってサンセールの地で素晴らしいワインを造り続けている。
さて、彼女と過ごす品川の『さくらタワー』での素敵な夜の続きは、また明日。