熊本の『青柳』で友人たちと過ごす楽しい夜の続き。
山口の獺祭のあとは、やはり熊本の地酒を注文。
まずは通潤上撰を試してみる。
通潤は、通潤橋のある山都町にある酒蔵で、創業は明和7年(1770年)。
この上撰は通潤の標準的な酒で、酒造米は熊本県産のアキシゲキを使用している。
こんなシンプルで洗練された酒器で味わうと、酒の芳醇さが一層引き立ってくる。
まさに通潤が標榜する通り、淡麗辛口の酒である。
醤油に付けると、脂がさっと表層に広がる。
最高の美味。
酢橘をさっと絞りかけて味わう。
酒が進む。
老舗に相応しい、品のある美人。
女将の挨拶に続き、踊り手が現れ、歓迎の踊りが披露される。
題目は、おてもやん。
無駄の無い軽やかな動きで、おてもやんの剽軽さを上手く表現している。
踊りが終わり、お面を取ってご挨拶。
若いチャーミングな踊り手に拍手。
上撰を飲み干すと、通潤の純米吟醸古酒、「蝉」を飲むことにする。
熊本県山都町の契約栽培米、山田錦を麹米に、レイホウを掛米に使用。
精米歩合は50%、酒蔵で一年間寝かせて出荷されている。
「蝉」の名前は、蝉が一年間地中で暮らしてから地上に現れることと、この酒が一年間酒蔵で熟成されて出荷されることとを重ねて命名したとのことだ。
このパプリカ、とても甘みがあって美味しく、全て食べ尽くすことができる。
目の前でコトコトと音を立て始めると食べごろ。
料理が美味いので、酒がどんどん進んでしまう。
甘辛両方の味が揃い、口を喜ばせる。
〆は、松茸ご飯と味噌汁と香の物。
何時も思うのだが、熊本は美食の街である。
前回の赤牛も美味しかったし、その前の桜尽くしの馬肉も最高だった。
友人たちと過ごす、熊本『青柳』での楽しく美味しい夜でした。