と言っても、予約しておいた店にすぐに着いてしまう。
今夜のお店は、『リストランテ・イタリアーノ・グラッポロ』。
彼女にとっては初めての店である。
テーブル席もあるが、やはりカンター席でシェフの料理作りを観ながら、お店の人とワインやメニューの相談をしながら食べるのが好きだ。
今夜は食後に予定があるので、ワインは1本だけにする。
好みと予算を伝え、ワインリスト外の美味しいボトルを推薦してもらう。
トスカーナのイル・チヴェッタイオ、モンテクッコ、サンジョヴェーゼ、2006年。
8年間の熟成のせいか、サンジョヴェーゼにしては色合いは薄く、少し煉瓦色に褪色した感じ。
香りには果実香がしっかりとある。
飲んでみると、深い熟成感を持ち、まだまだボディは強く美味い。
今が飲み時の最終コーナーといったところか。
とても8年間の熟成を経ているとは思えないくらい綺麗。
裏のエチケットに、ワインの名前やヴィンテージ、アルコール度数が記されている。
頼んだ料理がどのように作られているのか、観ることができるのは楽しい。
薄塩で肉の味が濃く、とても美味い。
野菜は焼くと甘みが出るので、とても美味い。
すぐ近くの壁には、今夜のお奨めの料理がかかれた黒板が置かれている。
これを見ながら、彼女と今夜の食事の組み立てを考える。
パスタは何にするか迷った挙句、今夜は美味しい浅利があるというので、フェトチーネで浅利のパスタを作ってもらう。
メニューに無い、こんな我儘を聞いてくれるところが嬉しい。
皿が大きいので肉が小さく見えるが、実際にはかなりのヴォリュームがある。
でも美味しいので、綺麗にお腹に収まってしまう。
サンジョヴェーゼとの相性も良い。
白金台の『グラッポロ』で彼女と過ごす、楽しい夜でした。