ソウルに旅した時に、参鶏湯手造りセットを買ってきた。
何だかよくわからないが、鶏に詰めるもち米や栗や棗に加え、高麗人参や木片がいっぱい入っている。
そこで、近くのお店で鶏を一羽買ってきて、参鶏湯作りに挑戦することにした。
袋の裏側には作り方が書かれている(ようだ)。
ハングルを解読するには時間が掛かるので、取り敢えず自己流で作ってみることにする。
韓国で食べる参鶏湯の鶏は小振りな雛鳥だが、日本で売っているのは1kgを超える大物。
う~ん、何ともグロテスクで手が止まってしまう。
漢方薬と思われる木片等は、セットに入っていた白い布袋に入れる。
鶏が大きいので、もち米は量を付け足した。
麻ひもで縫合するのだろうが手元に無いので、妻楊枝を数本刺して穴を塞ぐ。
大きな葱を入れたかったが、無かったので冷凍してあった刻み葱で代用。
彼女に嫌われるといけないので、ニンニクは入れないことにする。
ことことと煮ること1時間。
その間にワインを準備する。
今夜のワインは、グレッグ・ノーマン・エステート、ライムストーン・コースト、シラーズ、2003年。
以前は、グレッグ・ノーマンのワインは私のセラーに10本以上は入っている常連だった。
ところが日本の正規代理店だったメルシャンが2007年にキリンに買収され、グレッグ・ノーマンの代理店権を手放してしまったのだ。
そこで飲むたびに在庫は減っていき、今ではこのボトルをいれて三本になってしまった。
今では、このメルシャン輸入のシールを貼ったボトルは、世の中からほとんど消えてしまったのだろうと思うと、非常に寂しい。
メルシャンが輸入を開始する時には、私もテイスティングして、これは絶対に取り扱うべきだと意見を述べたことを思い出す。
このボトル、私のセラーで数年間静かに寝ていたのだが、抜栓する時にコルクがこんなに壊れてしまった。
まだ2000年と2002年のリゼルヴがあるのだが、ちょっと心配になる。
スパイシーで、ビターチョコやカカオの香り。
柔らかみを増しているが、強いタンニンは健在。
久し振りに飲むグレッグ・ノーマンのシラーズは、やはり美味い。
今度アメリカに行ったら、何本か購入しようと思う。
大きな鍋の中で、コトコトと鶏が煮えてきた。
美味そうな香りも漂い始める。
そろそろ火から降ろして良さそうだ。
もち米も良い感じで出来上がっている。
一口食べてみて感激。
見た目は悪いが、これは美味い。
耳の部分を握ると、摩り下ろされる仕組みになっている。
始めて挑戦した参鶏湯と、グレッグ・ノーマン・シラーズを堪能した美味しい夜でした。