西麻布の『キャーヴ・ド・ひらまつ』で開かれた、二人が大好きなシェフ、伊藤さんの最後のワイン会の続き。
泡、白に続くワインは、コート・デュ・ローヌのスーパー・スターの赤。
ドメーヌ・ジャン・ルイ・シャーブ、セレクション、モート・デュ・ローヌ、モン・クール、2011年。
エルミタージュで1841年お創業以来、ワイン造りを代々受け継ぐドメーヌ。
シャーヴのワインは入手困難なため、より多くの人に良いワインを飲んでもらいたいと始めたのがネゴシアン部門の、セレクション。
セパージュは、シラー60%、グルナッシュ40%。
肉料理は、鴨胸肉のロースト、赤ワインソース。
黒胡椒風味の無花果と一緒に。
香りが素晴らしい。
そして伊藤シェフの特徴の、繊細さと豪快さを併せ持つ盛り付け。
この焼き加減、最高に美味い。
食後のディジェスティフは、シャトー・デュ・モンのサント・クロワ・デュ・モン、2011年。
サント・クロワ・デュ・モンは、貴腐ワインの最高の生産地、ソーテルヌの対岸にある地域で、ソーテルヌに負けない素晴らしい貴腐ワインが生産されている。
シャトー・デュ・モンのセミヨンの樹の平均寿命は60年。
ミネラル感に富み、オーク樽のヴァニラ香も心地よい。
デセールは、白桃のグラタン仕立て、ヴァニラのアイスクリームとナッツのキャラメリゼ。
遊び心いっぱいの素晴らしいプレート。
桃も美味しそうだが、ヴァニラ・アイスから食べた方が良さそうだ。
おや、アイスクリームの足元には可愛いマカロンが置かれている。
これはプチフールとして最後に食べることにしよう。
もう伊藤シェフの料理を食べることが出来なくなると考えると、とても寂しい。
彼女は、「もっと早く紹介してくれていたら、伊藤シェフの料理をもっと食べることができたのに」と言う。
何時復帰するのか聞くが、今は未定。
素敵な和紙の人形のしおりをいただき、メルアドを交換。
これからもお元気で、東京のレストラン界に復帰される
ことを祈っています。
今夜も美味しかった料理とワインい満足しながら、そして伊藤シェフが去ることに寂しさを覚えながら、店を後にする。
何時もの女性の像が明かりを燈して見送ってくれる。
西麻布の『キャーヴ・ド・ひらまつ』で彼女と過ごす、素敵な夜でした。