今夜は西麻布の『キャーヴ・ド・ひらまつ』に、伊藤シェフの最後の料理を味わいに行く。
私が大好きなシェフ、伊藤さんを彼女に紹介すると、彼女もすっかり伊藤さんの料理のファンになってしまった。
ところが、その伊藤さんがしばらく料理界から身を引くというので、最後のワイン会に参加することにしたのだ。
店の前で車を降り、エントランスをくぐる。
そこは中庭になっていて、二階のロビーへと続く階段が迎えてくれる。
二階のレセプションで名前を告げ、三階のメインダイニングにエスコートしてもらう。
私達のテーブルは素敵にセッティングされ、今夜の料理とワインのメニューが置かれている。
色々なフルーツのジュースを、ヴーヴ・アンバルのクレマン・ド・ブルゴーニュ、ミレジメ、2011年で割ったものだ。
甘い南国のフルーツの香りを持つが、味わいはクレマンのブリュット。
空腹で二杯も飲むと、軽く酔いが回り、食欲が湧きたつ。
それにしても、スパークリングの撮影は難しい。
まだ酔っている訳ではなく、グラスにフロストが付くので、ピントがボケてしまうのだ。
前菜は、アネットのジュレに包まれたサーモンマリネ、エキゾチック・フルーツのサラダと共に。
伊藤シェフの料理は、見た目にも美しい。
繊細さと豪快さを併せ持っているのだ。
白ワインは、ドメーヌ・アラン・ブリュモンのシャトー・モンテュス・ブラン、2009年。
アラン・ブリュモンは、マディランのタナ種のワインを復活させた功労者で、その功績によりフランス国家最高勲章(レジオンドヌール)を受賞している。
そしてそのワインは、フランスの三ツ星レストランには必ずあると言われているほど有名なのだ。
使われているぶどうはもちろん南西部のもので、プティ・クルビュ80%、プティ・マンサン20%。
続く料理は、甘鯛のポワレ、バジルの香り、ブール・ブランソース、サフラン風味のリゾットと南仏風小さな野菜添え。
伊藤シェフの料理は味はもちろんのこと、しっかりと味わえるヴォリュームも兼ね備えている。
そして美しい。
彼女と過ごす、西麻布の『キャーヴ・ド・ひらまつ』での素敵な夜の続きは、また明日。