彼女と過ごす、西麻布の『キャーヴ・ド・ひらまつ』での楽しいワイン会の続き。
三種類目のワインは、コート・ド・ボーヌのファミーユ・ペランが造る、クードレ・ドゥ・ボーカステル・ルージュ、2010年。
ファミーユ・ペランは、1909年にシャトー・ド・ボーカステルを購入したことに始まり、4代にわたってワイン造りを続けるシャトー。
ワインは自然の力だけで造るものとの信念の元に、早くからオーガニック栽培を導入。
南ローヌの各アペラシオンに、300ha以上の畑を保有している。
ぶどうの自然な凝縮感、果実味が前面に出ており、決してボディは強くは無いが、奥行きの深さを感じさせる。
セパージュは、ムールヴェードル30%、グルナッシュ30%、シラー20%、サンソー20%。
今夜の肉料理は、牛肉のロースト、リヨン風、玉葱のコンポート、スパイスの香りの赤ワインソース。
これも女性シェフとは思わせない豪快な、そして美味しさたっぷりの料理である。
このポルトは何度も登場しているので、今回はご紹介を省略。
でも、すこぶる美味いポルトであることに違いは無い。
年代を経たポルトには、神秘的な存在感がある。
以前良く宿泊していた、ウィーンのオペラ座の隣にあるブリストル・ホテルのポルト・バーで、年代物のポルトを味わったことを思い出す。
彼女はワインはいくら飲んでも平気だが、酒精強化ワインはあまり得意ではない。
嬉しいことに、半分飲んで残り半分を私に差し出してくれる。
美味いポルトをちょっと多めに飲めて得した感じ。
デセールは、アメリカンチェリーとショコラの”フォレ・ノワール”、焦がしキャラメルのアイスクリームを添えて。
デセールは、女性シェフらしい美しさ。
これだからフランス料理はカロリーを気にしながらも止められない。
少し赤味を帯びて美しく輝く彼女の顔にも、満足感を読み取ることが出来る。
メインダイニングから二階のエントランスには、エレベーターを使って降りる。
一軒家レストランならではの楽しみ。
彼女と過ごす、西麻布の『キャヴ・ド・ひらまつ』での楽しい夜でした。