彼女は先にチェックインし、のんびりしている。
まだ外が明るいうちに、私もホテルに到着。
ロビーラウンジの全面ガラス窓の外には、鬱蒼とした森が広がる。
都会の真ん中にあって、この自然と静寂は貴重。
部屋に入り、窓から庭を見る。
今夜の部屋も、庭側を頼んでおいたのだ。
保冷バックに保冷剤を詰め込んできたので、充分に冷えている。
彼女が私の到着時間に合わせて頼んでおいてくれた、アイス・バケットに浸す。
移動中に振動を与えたので、少し休ませるのだ。
その間に手早くシャワーを浴び、一日の仕事の汗を洗い流す。
レストランでの食事では、汗を洗い、服を着替える時間が取れない。
良いホテルに部屋を取り、ワインと料理を楽しむメリットは、特に夏には大きいのだ。
休ませたシャンパーニュを抜栓。
甘い果実香がふわりと漂う。
今夜のシャンパーニュは、リュイリエが造る、マリー・ド・ビセイ、ブリュット。
リュイリエは、1876年創業の老舗シャンパーニュ・メゾン。
甘い香りに誘われて、口に運ぶ。
口当たりは軽やかだが、その後に濃く重い果実味と熟成感が続く。
濃厚な果実味を持ちながら、後味は辛口。
これは美味い。
セパージュは、ピノ・ノワール80%、シャルドネ20%。
彼女が好きな、黒ぶどう主体のシャンパーニュである。
ルームサービスの料理が届くのを待つ間、持参したチーズを楽しむ。
24か月熟成の、パルミジャーノ・レッジャーノ。
熟成が進み、固い石鹸のような食感が美味い。
そして熟成の進んだカマンベール。
クラコットも持参した。
白金台の『シェラトン都ホテル』で過ごす楽しい夜の続きは、また明日。




