魚料理の次は、赤ワイン。
モンターニュ・サンテミリオンのシャトー・ラ・クロワ・ボンノー、2009年。
これは初めて飲むボルドー。
サンテミリオン地区のワインらしく、メルロー主体でカベルネ・ソーヴィニヨンが添えられている。
ふくよかな果実香を持ち、口に含めば豊かなタンニンと熟成感を感じる。
さて、この素晴らしいフルボディに合わせる料理は何なのだろうか。
牛バヴェットのソテー赤ワインソース、季節野菜と小さなアッシパルマンティエ。
脂身の無い柔らかな赤身が最高。
その下には、野菜に包まれた小さな肉団子が隠れている。
肉料理とボルドーを堪能したあとは、ディジェフティス・タイム。
今夜の食後酒は、ロゼス、タウニー・ポルト。
タウニーとは黄褐色の意味で、樽熟成6年以上の上質のポルトのこと。
今夜のロゼスもなかなかの上物。
ポルトは、酒精強化ワインの中でも好きな種類。
特にヴィンテージ・ポルトは素晴らしいが、ちょっと価格が高いのでなかなか飲むことができない。
今夜のデザートは、ザッハートルテ、カシス風味のグラニテと一緒に。
フレンチのコースのあとにザッハートルテはちょっと重すぎるので、フォンダン・ショコラの下にはアンズ・ジャムを塗らずに作ったとのこと。
それでもやはり、ザッハートルテの重厚な存在感はかなりのもの。
以前は度々ウイーンを訪れていたので、ホテル・ザッハーでは何度も食べたし、帰国時にはデメルのザッハートルテを買ったものだ。
それだけに、とても懐かしく感じる。
テーブルに来てくれた伊藤シェフと交わす会話も楽しい。
帰りは、このキャンドルスタンドの像が見送ってくれる。
さっきまで激しく降っていた雨が、何時の間にか上がっている。
彼女と過ごす、西麻布の『キャーヴ・ド・ひらまつ』での素敵な夜でした。