今夜は、横浜駅前にある『横浜ベイ・シェラトン・ホテル&タワーズ』でワインを楽しむことにした。
私は仕事のため到着が少し遅くなるが、彼女は早い時間にチェックインし、部屋でのんびりするとのこと。
横浜駅を出て、急いでホテルに向かう。
急いでと言ってもワインを入れたキャリーバックを持っているので、あまり振動は与えたくない。
彼女に早く合いたいと気持ちは焦るが、ワインを傷つけたくないので、慎重に運ぶ。
そのついでに、久し振りの横浜駅前の写真を撮影。
駅から至近距離のホテルにして良かった。
何時もは都内のホテルを利用するので、ここに宿泊するのは初めて。
「ね、今夜のシャンパーニュは何なの?」
私の到着よりもワインの到着の方が嬉しいのかと、ちょっとむっとしながらも、バッグからワインを取り出す。
「今夜のプレゼントはこれだよ」
「わぁ、ありがとう。ヴーヴ・クリコは久し振り」
ヴーヴ・クリコ、ポンサルタン・イエロー・ラベル・ブリュット。
以前は良く飲んでいたが、言われてみれば本当に久しぶりのヴーヴ・クリコである。
この黄色い箱を見ると、何時も何となく気持ちが華やく。
キャリーバックには保冷剤を詰めているのでもう充分に冷えているが、彼女がルームサーヴィスに頼んで用意してくれたアイスバケットで一息つかせる。
短時間ではあっても電車に乗せたので、シャンパーニュには休息が必要なのだ。
その間に手と顔を洗い、背広を脱いで楽な服装に着替える。
このヴーヴ・クリコ、実は私のセラーで長期間忘れられていたもの。
ヴィンテージ物ではないが、長すぎる熟成期間を経てしまったようで、残念ながら少し泡立ちが弱くなり、色合いも濃くなっている。
熟成の進んだ白ワインの風格が出ているが面白い。
華やいだ気分になると言ったが、良く考えるとこのシャンパーニュは”クリコ未亡人”のワインである。
でも、そんな話は彼女には内緒。
横浜での楽しい夜は、始まったばかりなのですから。


