自由ヶ丘の隠れ家的フレンチ、『ル・ジュ・ジュ』で彼女と過ごす素敵な夜の続き。
二本目のワインは、アラン・ビュルゲが造るジュヴレ・シャンベルタン、2009年。
1974年、アラン・ビュルゲによって設立されたドメーヌで、今は二人の息子兄弟が跡を継いでいる。
設立当初から自然農法を実践し、ブルゴーニュの自然派を代表する造り手のひとつである。
随分以前のことだが、初めてアラン・ビュルゲを飲んだ時のインパクトの強さは、今もはっきりと覚えている。
それ以来、アラン・ビュルゲは二人にとって大切な時間を分かち合う時に飲む、特別なワインとなっている。
その中でも、ジュヴレ・シャンベルタンは彼女のお気に入り。
強くて繊細で、複雑なニュアンスを持つ、素晴らしいピノ・ノワールである。
蓋を取る時の気持ちの高まりが楽しい。
でも、美味しい感覚は口に残っている。
パリパリに焼いたうろこが美味い。
ルビーグレープフルーツの香りが食欲を再び掻き立てる。
季節野菜との組み合わせが素敵だ。
脂身の無い、柔らかな肉が素晴らしく美味い。
鈴木シェフが気の利いたデセールを作ってくれた。
鈴木シェフは、真っ黒の皿を使った絵のような料理が得意なのだ。
今夜の鈴木シェフの料理に、彼女も満足そう。
料理とワインに満足した夜は、一層顔が美しく輝くのですぐにわかる。
彼女と過ごす、自由ヶ丘の素敵な夜は静かに更けていきました。