会場は、初めてのお店。
乃木坂の路地の中をググッと入った先に、ぽつんとそのお店はある。
『キモノ・ワイン・バー&グリル』という面白い名前。
レストラン内に入ると、和と洋を織り交ぜたような不思議な空間。
着物を着た女性の、昭和初期のものと思われるポスターが貼られている。
少人数のワイン会だと聞いていたが、席は13人分準備されている。
開催時間の30分も前に着いたので、私たちが一番乗り。
初めての店でしかも場所がわかりにくかったので、迷うと思い早目に来たのだ。
でも、迷うことなく到着し、彼女の賞賛の言葉を浴びることとなった。
良いワイン会は、早く到着しても時間まで待たされることなく、ワインが供される。
早速、彼女と二人で早目の乾杯。
今夜は、スペイン、リオハの銘醸、ボデガス・ムガのワイン会。
最初のスパークリングは、カヴァ・コンデ・デ・アロ、ブリュット、2010年。
ムガのカヴァはどんな出来栄えか、飲む前からわくわくする。
ふんわりと漂う、柑橘系の香り。
口に含むときりりと引き締まった、辛口。
オークの大樽で醗酵後、瓶内で14か月間熟成されている。
ぶどうは、ビウラ90%、マルヴァジア10%。
私達は30分早く着き、参加者が揃ったのは開始時刻の20分後だったので、ゆっくり飲んでも結局3杯を空いたお腹に流し込んでしまった。
彼女には、「今夜は日本人は僕たちだけだと思うので、開始時間は遅れると思うよ」、とあらかじめ言っておいて良かった。
でも、カヴァが美味いので嬉しい待ち時間。
会が始めると、サリーがボデガス・ムガの立派な案内書を配ってくれる。
ムガは、1932年にリオハの中心部に設立された、家族経営のワイナリー。
伝統的な手法を守り、醗酵から熟成まで全て樽を使用。
そのため、3人の樽職人が手作業で樽造りを行っている。
テーブル上には、今夜のワインと料理の組み合わせリストが置かれている。
歓迎のカヴァのあとは、白、赤、赤と続く。
それに合わせた料理の選択も面白い。
二皿目がラムで、三皿目が牛フィレなのには首を傾げる。
ワインは後になるほど強くなっているはずで、料理も逆の方が良いのではと、店のオーナー、ローレンに聞いてみる。
「良い指摘ね。ワインに合わせて考えたので、ワインを飲めばきっと納得してくれると思うわ」とのこと。
ようやく、カヴァに合わせた前菜が出され、ローレンとサリーの挨拶が始まる。
楽しい乃木坂でのワイン会の続きは、また明日。