二本目のシャンパーニュは、冷蔵庫で冷やしておいた。
彼女へのプレゼントの意味で、赤いリボン付き。
彼女がこのリボンを解くのを見るのが、好きなのだ。
シャンパーニュは、ベリー・ブラザーズ&ラッドの、ベリーズ・ユナイテッド・キングダム・キュヴェ・グラン・クリュ、マイィ、2002年。
ベリー・ブラザーズ&ラッドは、1698年設立のワイン商で、英国王室御用達の名門である。
セパージュは、ピノ・ノワール70%、シャルドネ30%で、熟成期間は42か月。
シャンパーニュのマイィ生産者協同組合が造るワインである。
真正面で打ち上げられるので、とても綺麗に見える。
ぱっと開いた後で、ドーンと大きな音が押し寄せる。
風が適度にあるので煙が流され、花火が綺麗に見えていたが、風が止むと煙で花がボケてしまう。
どうすれば大空にこんな絵を描くことができるのだろうと、何時も不思議に思う。
まるでおもちゃ箱を大空にぶちまけたようだ。
と、突風が吹き、雷光が走る。
大粒の雨が叩きつけるように降ってきた。
雷が鳴るたびに、子供の悲鳴が聞こえる。
浴衣を着た若い女性もびしょ濡れになっている。
こんな状況を、シャンパーニュ・グラスを手に持って見下ろしていると申し訳ない気になる。
人であふれていた会場周辺があっという間に静けさに包まれ、雷鳴だけが轟く。
ベランダの灯りを点けず、そのまま彼女とシャンパーニュを楽しむ。
花火大会は残念なことになってしまったが、彼女と過ごす素敵な夜でした。








