台北の最高峰、台北101の85階にある『欣葉101食藝軒』で彼女と過ごす、素敵な夜の続き。
牛ヒレのチャーハンは、ピラミッド型に盛りつけられていて面白い。
台湾らしいフルーツがグアヴァだけなのはちょっと寂しい。
日本語のメニューには、台湾スタイルお汁粉と書かれていた。
ゆっくり食事をしたので、ビルを下りた時には時間が遅く、照明は既に消えていた。
足元から写真を撮ろうとすると、背を反ってほとんど真上を向くことになるので、大変。
彼女の手を取り、新しく開発された美しい街を少し歩く。
台北の夜は、東京よりもはるかに気温が低く過ごしやすい。
ゆっくりと歩きながら、今夜の料理とワインの話に花が咲く。
タクシーを止め、ホテルに戻る。
日本から持参したもう一本のワインが待っているのだ。
彼女には、「君が絶対に選ばない、でもとっても美味しいカルフォルニア・ワインを持ってきたよ」と話していた。
このエチケットを見て、彼女は絶句。
「これ、本当にまともなワインなの」
「ジンファンデルの名品だよ。ちょっとエチケットが独特だけど、古木のぶどうで作られた素晴らしい赤だよ」
マクナブ・リッジ・ワイナリーは、1868年にスコットランドから移住してきたアレキサンダー・マグナブ氏によって設立された、歴史あるワイナリー。
ジンジラという名前は、古いものは70年を超える古木のジンファンデルと、ゴジラを掛けて造った言葉で、ジンファンデルのモンスター・ワインであるとの意味を込めている。
確かにエチケットの下部には、モンスタラス・カリフォルニア・ジンファンデルと書かれている。
グラスは、昨夜シャンパーニュを飲むために日本から持ってきたグラスを使う。
色合いは、非常に濃い深紅。
グラスに注いだだけで、ふわりと果実香が漂う。
口に含むと、ビターチョコレートの味わい。
とてもスパイシーでタンニンも強いが、過度に重くなく、すっきりとしたフル・ボディ。
これには彼女も満足。
でも、もっとまともなエチケットにしたら良いのに、とこのジンジラ・モンスターは気に入らない様子。
マクナブ氏はスコットランドからボーダー・コリーの一種の牧羊犬を連れてきたが、これが有名になり、今ではマグナブという犬種が出来ている。
台北101の85階で素晴らしい料理を味わい、ホテルの部屋でモンスター・ワインを味わった、彼女と過ごす楽しい台北の夜でした。