ある日の朝、ちょっと遠出をして林の中の遊歩道をウォーキング。
秋の早朝に、この林の中を歩いている人は少ない。
前方を速足で歩いている二人の女性に追いついた。
スピードを上げて二人を追い抜いたが、若い可愛い女性たちだった。
追い抜いた時、後ろから二人の会話が聞こえた。
「あの人、速いわね」
「きっと身体を鍛えているのよ。がっしりした体型だもの」
何時もは時速6kmでウォーキングしているが、追い抜くときはトップスピードに上げていた。
この速さで歩き続けることは辛いが、こんな会話を聞いてしまうとスピードを落とせなくなった。
林の中でも、この辺りは遊歩道が比較的真っ直ぐで、あの二人からは私の後ろ姿が見え続けているはずだ。
彼女たちもそこそこの速さで歩いているので、スピードを落とし過ぎると逆に追いつかれてしまう。
既に7kmほど歩いているので、このままのスピードを維持し続けるのは苦しい。
これは困ったと思っていると、樹の幹にグリーンのものを見付けた。
この虫、私の中指ほどの大きさがある。
お腹の下側は、濃いグリーンだ。
これ幸いと立ち止まり、スマホを取り出して撮影していると、あの二人が追い付いてきた。
「何なのですか?」
「私も何の幼虫なのかわかりませんが、綺麗なので思わず写真を撮ってしまいました」
二人もスマホを取り出し、賑やかに話しながら写真を撮り始めた。
よし、この間に距離を稼ごう。
男の見栄はみっともないと思いながらも、再び歩を早める私でした。
フィンカ・エル・レホネオ、グラン・レゼルヴァ、2006年。
カスティーリャ=ラ・マンチャで最古のボデガス、フェルナント・カストロの製品。
ボデガスの設立は1850年と古く、今も一族による経営が行われている。
D.O.は、ヴァルデペーニャス。
良質なワインが良心的な価格で生産・販売される、注目の生産地である。
ポルトガルで初めて開催された、ポルトガル・ワイン・トロフィー2014年で、グラン・ゴールドを受賞している。
コルクはまだ新しく、状態は良い。
瓶詰前の熟成期間を計算すると、瓶詰は2009年のようだ。
色合いは、不透明な、濃厚な赤。
完熟したレッドベリー、ダークチェリー、プラム、そしてバニラや樽香を感じる。
ぶどうは、テンプラニーリョ100%。
ステンレスタンクで6か月熟成後、オーク樽で30か月熟成。
更に瓶詰後、36カ月の瓶熟を経てリリースされている。
良質で濃厚な赤ワインを楽しんだ、今夜のお家ワインでした。