ワイン・ショップで最も高価な4本を購入した内の1本である。
他の3本は、王朝、中華、張裕といった名の通ったワインで、既に飲んでしまった。
どれも価格に見合った品質ではなかったが、それでも何とか飲むことができた。
このグランド・ドラゴン、烟台威尤というワイナリーは、初めてのブランド。
ケースと能書きが一番立派だったので、試しに購入したのだ。
能書きには、樹齢18年以上のカベルネ種のぶどうを用い、最新の設備で製造し、木桶(樽)で6年間熟成させていると書かれている。
価格は、中国ワインとしては破格の高さ。
中国人は決して飲まないワインなのだろう。
お金持ちは高価なボルドーを飲むし、中産階級はもっと安い中国ワインを飲むからである。
ということは、私のような奇特な外国人向けのワインなのだろう。
ブショネではない。
醸造過程で付いた、異臭である。
口に含むと、ケミカルな刺激が舌を刺す。
昔は、東南アジアやインドにこの手のワインがあったが、今では品質が上がり、滅多に出会わない低品質品である。
少し口に含んだだけで、残りはシンクに流してしまった。
中国ワインを試すことは、これを最後にしようと心に誓った夜でした。